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神様の願い事

第5章 混乱

《sideA》


なんだなんだ。
まさかこの二人って。


和「おはよ...ってか、何やってんですか」

翔「あ」

潤「男三人くっついて何やってんの?」

雅「いや、リーダーがふにゃふにゃでさ」

和「ふにゃふにゃ?」

雅「ほら」


翔ちゃんの胸から離れた俺は、リーダーを顎で差した。
そのリーダーは翔ちゃんの体に腕を回して顔を胸に預けてた。


潤「リーダー? どうした? どっか具合でも悪いの?」


そのリーダーに顔を近付け、松潤はまるで母親のように顔を覗いた。


智「うん? いや、いい匂いするから」

和「匂い?」

智「ここ」


どれどれとニノが翔ちゃんの胸に鼻を擦り付けた。


和「別に何も匂わないよ?」

雅「でしょ? 言ってんのにさぁ」

智「えぇ? 絶対するよ」


今度は松潤が翔ちゃんの匂いを嗅いだ。


潤「う~ん?」

雅「しないでしょ?」


絶対アレだ。
くっついてるとこ俺に見られたから。
誤魔化そうと思って下手な嘘でもついたんだ。


潤「ん? 何コレ」

翔「あっ それは」


そんな事を思っていると、松潤が翔ちゃんの胸ポケットから何やら小さな紙を取り出した。


和「肌守り?」


松潤の手の中をニノが覗き込む。
やっぱり仲良く寄り添い、ニノはきょとんとした目を松潤に向けるんだ。


翔「おっ、お守りだよ」

潤「だろうね。だけどこれ」

和「うん?」


松潤はそのお守りの匂いを嗅いで、ニノにも嗅がせた。


和「あれ? この匂い...」

翔「かっ返して」


そのお守りを奪い返した翔ちゃんは、カバンに大事そうにしまった。


潤「そのお守りどうしたの?」

翔「家にあったんだよ」

和「中身は? 自分で入れたの?」

翔「は?」


中身?


潤「何が入ってるか知らないの?」

翔「何を言って」

和「じゃあなんでそんなお守り持って来たの」

翔「だから、朝起きたら枕元にあったから」


そう言えばリーダーはどうしたんだと楽屋を見渡せば、何故か翔ちゃんのカバンに張り付いてるし。


潤「...あのお爺さんか」

和「みたいだね」


なんの話だかさっぱり分からない。

こうやって俺の知らない話が増えていくんだろうな。


何やってんだよリーダー。


そんなカバンに張り付いてないで、俺を慰めてくれっての。





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