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神様の願い事

第5章 混乱

《sideS》



おかしい。くっついて来ない。


翔「はい、という訳で~ 今回はゲストチームの勝利となりましたぁ~」


本番だからかな。そうだよな、本番中にいちゃつくなんて前代未聞だし。


智「翔くんお疲れ」

翔「ああ、お疲れ様」


しかしそれにしたって。
終わった今でもサッパリし過ぎやしないか?
ああそうか、スタッフの目があるからかな。


潤「駄目だよ、リーダーはこっちね」

智「あ」


俺のカバンに一目散に駆け寄って行く智くんは、松潤に首根っこを捕まれ着替えに促された。


和「あんなんで解決になるのかな」

潤「まあ、焦れったいから丁度いいと言えばいいんだけど」

智「ん?」

和「だけど根本的な解決にはならなくない?」

潤「だよなぁ」

智「なに? なんの話?」

和「おーのさんは取り敢えず早く着替えなさい」


やっぱり普通だ。
俺の事なんてチラリとも見ない。
さっきはあんなにじゃれ付いていたと言うのに。


潤「まぁでも、意識するキッカケにはなるかな…」

和「ちょっとヤキモチ妬いたのに?」

潤「は?」

和「だって、カバンに近付こうとしたら引っ剥がしてたじゃん(笑)」

潤「違うでしょ、あれは普通に」

和「はいはい(笑)」

智「んふふ?(笑)」


なんか楽しそうだし。


雅「翔ちゃん」

翔「ん? はい」

雅「ひょっとして翔ちゃんてリーダーの事...」

翔「えっっ」


まさかバレたと言うのか?
この鈍感極まりない相葉雅紀に?
鋭い松潤だってニノだって気付いていないというのによりにもよってこの男に?


雅「なぁんだよ~ 俺が悩んでるってのによろしくやってんじゃん」

翔「はっっ? やってないやってない! よろしくなんてとてもっ」

雅「そうなの?」

翔「見たらわかるだろっ」


しかも予想がぶっ飛びすぎだ。


雅「でも好きなんでしょ?」

翔「へっ」

雅「片思いしてんだ。俺と一緒だね」

翔「いや、う、その」


それに思い込みが激しいときた。


雅「はぁ...、片思いってせつないよね…」

翔「うん...」


思わず返事をしてしまった。

なんだか物凄く寂しそうな顔でニノを見てるから。


そうか、コイツも俺と同じなのか。


この気持ちを共有出来る相手としては、この男は理想かもしれない。






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