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神様の願い事

第5章 混乱

《sideO》


やばい。やばいぞ俺。
なんだか無意識に相葉ちゃんに引き寄せられてしまった。


和「なんで相葉さんなのよ」

智「いや、なんでだろ...」


ひょっとしてだぞ。万が一、俺がオネエだとして。


和「ほらぁ、まだソワソワしてんじゃん」


それでもやっぱ、好きになる人は一人な訳で。
なのに俺と言ったら翔くんだったり相葉ちゃんだったりと見境がない。


和「そんなに相葉さんが好きなの?」


やばすぎるぞこんなヤツ。
一体俺、どうしたってんだ。


潤「アレじゃない? ほら、今翔さんの手に渡ったけど」


ニノが翔くんの方を見た。
俺もつられて見てみると、そこには相葉ちゃんから小さな包み紙のような物を受け取る翔くんの姿があった。


和「あ~あれかよ。なぁんだ」


俺を振りほどいて相葉さんに向かって行くからおかしいと思ったんだと、ニノは呆れた溜息を吐いた。


和「大野さん、惑わされちゃ駄目だよ?」

智「へ?」

潤「あ、言う?」

和「だってさぁ、卑怯じゃん」

潤「ふふ、結局ニノもヤキモチ妬いてんじゃん」

和「ちっ、違うよっ。俺は只、大野さんの意思とは関係なく進んじゃう事が問題だと思ってるのっ」


なんだなんだときょとんとする俺の前で、二人がわちゃわちゃし始めた。


潤「まぁ確かに、リーダーの意思でやってるんなら俺も何も言わないけど」

和「でしょ? だからこれは教えといた方がいいって」

潤「そうだね」


松潤もソファーに座り、俺は二人に挟まれて何か大事な話をされる雰囲気になっていた。


和「いい? よく聞くんだよ?」

智「うん?」

和「あの肌守りは魔法のお守りなんだ」

智「へ」

潤「リーダーは人じゃなくて、あの肌守りに惹き付けられてるんだよ」


なんじゃそりゃ。


和「この間は翔さんが持ってたし、今は相葉さんが持ってたの。だから、うっかり張り付いちゃっただけなの」


意味わからん。


潤「中身はきっとマタタビだよ。だから、リーダーに効果があるんだね」

智「なるほど」


なんだよ、そっか。

俺、オネエじゃないじゃん。


和「猫には堪らないモノらしいけど、ぐっと我慢するんだよ?」


全てはそのお守りのせいだったのか。



うっかり翔くんの事を好きだと勘違いするところだったぞ。






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