テキストサイズ

神様の願い事

第6章 名探偵

《sideN》



和「...なんでついてくんのよ」

雅「一緒に帰ろうと思って」

和「勝手に思わないで貰えます? 俺はひとりで帰るし」


一定の距離を保ってついてくる相葉さんに、前を向いたまま話しかけた。


和「アナタはコッチじゃないでしょ。翔さんちに帰るんじゃないの?」

雅「なんで翔ちゃん」

和「泊まったんでしょ? だったらそのまま帰りゃいいじゃん」

雅「も~、まだそんな事言ってるの?」


そんな事ってなんだよ。
ありのままをそのまま話しただけじゃん。


雅「久し振りに一緒にメシでも食わない?」

和「俺なんかでいいんですかね」

雅「もぉ、ニノ~」


情けない声なんて出しちゃってさ。
その手には乗らないぞ。情けなんてかけてやるもんか。


雅「俺はお前とメシを食いたいんだよ。だけどニノは、俺じゃなくて松潤が良かった?」

和「なんで潤くんが出てくんのよ」

雅「なんでって…、だって好きなんでしょ?」

和「あ?」

雅「松潤、好きなんだよね?」

和「はぁ?」


なんですかコイツ。


和「どう見たらそんな事になる訳?」

雅「え? だっていつも一緒にいるし」

和「...だったらアンタはどうなのよ。そういう事で言ったら、やっぱ翔さんが好きなんじゃん」

雅「ちっ、違うよあれは」

和「なに」

雅「相談してたんだよ。...ニノは、松潤の事好きなんだと思ってたから」


やっぱ馬鹿か。


雅「おっ、お前はどうなんだよっ。いっつも松潤とコソコソやってんじゃんっ」

和「だからアレは」

雅「なんだよっ」


すげえ鼻息荒いな。


雅「俺には隠し事ばっかじゃん。教えろよっ」


首を掴むな。苦しくなるじゃん。


和「だっ、から、リーダーの事で」

雅「は?」

和「幸せになって貰わなきゃ困るじゃんっ」


いい加減揺さぶるのヤメロっての。


和「猫っ、化、治してやんなきゃ」

雅「あ? 猫?」

和「あ」


俺とした事が、うっかり口を滑らせてしまった。


雅「リーダーと猫、が? なんの関係」

和「や、それは」

雅「また隠す気?」

和「ちょ、相葉さ」


詰め寄るとか怖いし。


雅「その口、割らせてやるよ」


なんだその台詞。


結局キスしたかっただけじゃん。


だから馬鹿は困ると、何度言えば分かるんだ。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ