テキストサイズ

神様の願い事

第6章 名探偵

《sideN》



和「ねぇ、タレは?」

雅「新しいのが冷蔵庫にあるよ」

和「は~い」


相葉さんちで飯を食ってる。
そんな俺の目の前で繰り広げられるバトル。

名探偵松本VS新人探偵相葉。


雅「だからさ、そういう事でしょ?」

潤「いや、いくらなんでも飛躍し過ぎだよ」

雅「んな事言ったら猫耳生えてる時点でもう」

潤「それはそうだけどさ」


コトン

新しいタレを持ってきてやっても、“ありがとう”の一言も無い。


潤「だってね? 猫だよ? 人間が全くの猫になるとか、考えられる?」

和「考えらんないね」

雅「だったらあの耳は? 尻尾は? 人間からあんなの生えるとか、信じられる?」

和「ん~、だって実際生えてるしね」

雅「んもぅ!お前ちょっと黙っとけってっ」


怒られた。
俺を挟んでやいのやいの言ってるから、間に居る俺が気を遣って相槌を打ってやってるというのに。


潤「そもそもなんで神様だと思ったの」

雅「...見たんだよ」

潤「なにを?」

雅「リーダーの姿をした神様...」

潤「は?」

和「...だからそれは大野さんでしょ? 耳と尻尾を生やした姿を見ちゃっただけじゃん?」


うっかりどこかで見られてしまったんだろう。
それを、相葉さんの脳がどう変換したのかは知らないが、神様だと思っただけだ。


雅「俺も信じられなかったよ。リーダーだと思ったんだ」

潤「うん」

雅「だけど翔ちゃんが」

潤「翔さん?」

雅「“神様だよ”って、紹介すんだもん」

潤「え、それいつの話」

雅「この間、翔ちゃんちに泊まった時」

和「へ~」

雅「あっ、ほ、本当に何も無かったからね!?」

和「あ~はい」


俺の顔色を伺ってるけどそれよりも、どういう事なんだろ。
リーダーの姿をした神様を翔さんが紹介? 意味わかんないんですけど。


潤「翔さんは、その姿を神様だと思ってるって事?」

雅「そうなんだよ。なんか“神様の変身凄いだろ”とか言って」

和「変身...?」

雅「出来るみたいだよ? 翔ちゃんに言わせれば。但し、リーダーにだけね」


大野さんの姿にしか変身出来ない神様。

それも、その姿は俺らが知ってる猫化した大野さんと全く同じだと言うんだ。


ひょっとしたらこの新人探偵、凄いネタを持って来たのかもしれない。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ