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神様の願い事

第6章 名探偵

《sideS》



翔「うわっ、な、なになにっ」

潤「おじゃましまーす」


智くんと和解して数日後、家で寝る前の日課をしていたらドカドカと知った顔が入ってきた。


和「わぁほんとだ。モデルルームみたい~」

雅「だろ? 凄いんだよ翔ちゃんち」


それも三人。
だから俺はその奥を少し覗いた。智くんは居ないのかなと思って。


潤「どうしたの?」

和「おーのさんなら居ないよ?」

翔「あ、あぁそう...ってお前らどうやってここまで」

雅「住民の人についてきちゃった♪ てへ」


それは不法侵入と言うんだ。
照れて言うような事では無いんだよ?


潤「どうかした? 目、血走ってるけど」

翔「えっ」


今日も懲りずに鏡の中の智くんを見てたけど、まさか血走ってるとは思わなかった。


和「こっち寝室?」

翔「だぁっ、ちょ」


寝室に入ろうとするニノを押し退け、部屋に顔を突っ込む。


潤「なんかヤバい物でもあるの?(笑)」


智くんは? 俺の、俺だけの鏡の中の智くん。
毎晩妄想の智くんを見てニヤけてたなんて知られては、絶対に変態扱いされてしまう。


翔「そ、そんなのある訳無いだろ」


よかった。鏡は真っ黒になっている。
智くんはもう映っていない。


和「あれ? あの鏡どこかで」

潤「ん?」

雅「あれじゃない?」


その真っ黒になった鏡を見て、三人は立ち止まる。


雅「ほら、商店街にあったデカイの」

和「あ~、似てるね」

潤「これ、どうしたの?」


ど、どうしたって。


翔「貰...、か、買ったんだよ」

潤「ふうん?」


言えない。言える訳ない。
変なお爺さんに貰って、そこには俺の妄想が映し出されて、挙げ句神様が飛び出てくるなんて言える訳ないんだ。


雅「でもこれ、神様の家じゃないの?」

和「は?」

雅「だって俺最初に見た時、鏡が光って、そこから神様出てきたんだもん」


息を飲む俺をきょとん顔で見つめ、相葉くんは更に口を開いた。


雅「それはあのデカイ鏡だけど、これってそれのミニ版でしょ? 同じ機能付いてたりして(笑)」


何を言い出すんだ相葉。


探偵気取りはやめろ。皆の視線が刺さるじゃないか。





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