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《sideＭ》



和「そう、それだ。通り道なんだよきっと」


ニノの同意を得た。となると、俺の予想はきっと当たってる。


雅「ええ？ 家じゃないの？」

和「こんなペラッペラな中にどうやって住むのよ」

雅「それはほら、神様だから」


この予想を聞いて翔さんはおどおどしてるし、鏡から神様が出てくるというのも間違いは無さそうだな。


雅「家じゃ無いんだったら神様はどこからやってくるの？ 只の通り道なんだったら、神様の家にもこの鏡がある筈じゃん？」


そうなんだよな。神様は一体どこから...って、ん？


和「あ」


まさか。


和「潤くん。ひょっとして...」

潤「ああ、もしかすると」

雅「え？ なに？」

和「当たってるかも。相葉さんの話...」


神様はリーダーなんじゃないかって、この間相葉さんが言っていた。


雅「え、俺？ 何言ったっけ」


や、でも待てよ。この話、翔さんの前でしていいものだろうか。


潤「...翔さん。神様って変身出来るんだってね？」

翔「えっ」

和「それって、リーダーだけなの？」

翔「あっ、相葉...っ」

雅「あ、ごめん。言っちゃった」


俺とニノの顔を見て、翔さんは誤魔化すのを諦めたようだ。


翔「うん...。そうだよ、変身できる」

潤「で、そのリーダーの姿をした神様がここから出て来たんでしょ？」

翔「そ、それは」

和「ちょっと呼んでみよう」

翔「えっ」

雅「かみさま～」

翔「ちょ、ちょっと相葉っ」


鏡に向かって叫ぶ俺達を翔さんは止めにかかったけど、諦めない。
だってやっぱりこの目で見ないと信じられないから。


和「出てこないね」

翔「ほ、ほら。だから言っただろ、只の鏡だって」


リーダーが神様？ あの黒猫が？


雅「ん...？ でもこれ、只の鏡じゃないよ？」

和「え？」

雅「だってほら」


でも、この鏡が只者じゃ無いって事は確実だ。

だってこの鏡、真っ黒なんだ。


和「なんも映ってないじゃん」

雅「ね？ 普通じゃないでしょ？」


その鏡は、部屋の風景も、覗き込んでる俺達の姿さえも、映し出さなかったんだから。