神様の願い事
第6章 名探偵
潤「...これ、どこで買ったって?」
みんなの視線が一斉に翔さんに向く。
すると翔さんは覚悟を決めたのか、少し息を飲んで口を開いた。
翔「...信じてくれる?」
和「信じるよ。当たり前でしょ」
翔「じゃあ、言うけど...」
この不思議な鏡。神様と何かしら関係のありそうなこの鏡。
その鏡の出処を、翔さんは話した。
和「おじいさん?」
翔「そう。その人がくれた」
ほう?
お爺さんとはもしや、あのお爺さんの事か。
雅「それって、夢に出てきたって言うあの肌守りの?」
翔「あ、そうそう」
やっぱりそうか。あの時商店街にいたお爺さんだ。
和「夢?」
翔「あの肌守りもなんだよ。まあ、それは夢の中で会ったんだけどね」
和「へえ...?」
翔さんの話を聞くと、やはりあのお爺さんは不思議で。
だって肌守りは夢の中に出て来たお爺さんがくれたと言うし、あの鏡なんて俺達がお爺さんに会う前には既に貰っていたんだ。
和「あのおじいちゃん何者なの」
翔「え。会った事あるの?」
和「あ~、潤くんとね。商店街をうろついてたらたまたま」
翔「そうなんだ...」
ひょっとして、翔さんも感じただろうか。
潤「ね、あのお爺さんさ。何か変な感じしなかった?」
雅「おかしい人なの?」
潤「そういうんじゃなくて、どっかで見たような、懐かしい感じがするって言うか」
和「だって俺らの事、知ってるぽかったもんね」
雅「へ。そうなの?」
会った事は無い筈なのに。
どうしてだろう。何か、不思議な感覚がした。
翔「あ...、そう言えば」
雅「翔ちゃんも?」
翔「うん。俺走ったらさ、“やっぱ足速いなぁ”って。笑ってたんだよね…」
雅「へえ...?」
リーダー、猫、鏡。それに加えてあのお爺さん。
神様は謎なんだ。それは当たり前の事。
だけどこの神様に纏わる話に限っちゃ、あのお爺さんが深く関わっている。
絶対、そんな気がするんだ。