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神様の願い事

第6章 名探偵



俺をさも変態のような扱いで見やがるから、俺は辿々しい説明をした。
それはさっき皆が居た時に話したものとあまり変わらないけど、どうしても俺の仕業じゃないと信じて欲しくて。


潤「とすると、やっぱりあのお爺さんに何かあるな…」

翔「もうそれしか思い当たらないよ」

潤「...取り敢えずこの鏡調べるわ。持って帰っていい?」


え。持って帰るの?
俺の楽しみを奪っちゃうの?


潤「よっ...と、あれ?」

翔「重いでしょ」

潤「え、なんでこんなに重いの」

翔「軽かったんだよ? だけどさ、壁に掛けた途端重くなっちゃって…。外せないんだよ」

潤「まるで張り付けてあるみたいだな…」


首を傾げる松潤は、腕に血管を走らせ力を込めた。
だけどその小さな鏡はビクともしないんだ。


潤「ふうん...。この鏡は翔さんが持ってなくちゃいけないって事か」

翔「そう言えば...、この鏡は俺にしか意味が無いって言ってたような」


眉間に皺を寄せる松潤は、片眉を上げて鏡を見る。


潤「この鏡、リーダー以外も見えるの?」

翔「ああ...、今のところ見た事無いな」


そう言えば、智くんの部屋に松潤とニノが居る所を見た事があったけど。
それはどうやら二人が智くんの家に行った時のものだったみたいだし。


潤「リーダーしか見えない鏡...、は、翔さんにしか意味が無い...?」

翔「どういう事だろう...」


確かに言ってた。俺にしか意味が無いと。
妄想だと思っていた智くんは、実はリアルで。
確かにそれを見て、俺は随分と楽しかったけど。


翔「俺の為...? でもどうしてあのお爺さんがそんな事...」

潤「でも、神様ってここから出て来るんだよね?」


そうだ。智くんが見えるだけじゃない。
神様だってここから飛び出してくるんだった。


潤「リーダーが出て来た事は?」

翔「え?」


出てくるのは神様だけだ。
たまに智くんの姿を借りて出てくる事もあったけど、でもそれも神様だし。


潤「無いの?」

翔「うん...。無いよ...」


神様だよな?


俺と酒を呑んで笑い合ったのも、俺を抱きしめ慰めてくれたのも。


全部、神様なんだよな?





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