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神様の願い事

第6章 名探偵

《sideN》



潤「やっぱあれ、リーダーだよ」


“スマホを忘れた”と翔さんちに戻った潤くんが、随分と遅れて俺達の待つ相葉さんちにやって来た。


和「は?」


んで、“結論を発表します”とか唐突に言い出して。
からの、この台詞。


和「え、なにが?」


そんなふざけた台詞に似合わず真面目な顔で、俺達をガン見する。


潤「だから神様。相葉さんの推理は当たってるよ」

雅「ほらぁ~っ」


うひゃうひゃと笑う相葉さんは潤くんに褒められて上機嫌だ。
だけどもしそれが本当なら、そんな呑気に笑っている場合では無い。


和「この人だけなら信じないけど、潤くんも...? え、それ本当なの?」

潤「うん。翔さんの話と合わせると多分ね」


舞い戻った翔さんの家で見た事や、話した事を俺達に説明する。
するとどんどん不思議になっていって。

だから、大野さんが黒猫に変身する事すら別におかしくないんじゃないかとさえ思えた。


和「じゃあ、あのお爺さんの目的は二人をくっつけようとしてるって事になんない?」

潤「まあ、それが妥当だろうね」

雅「俺見た事無いからわかんないけど、不思議な感じするって言ってたよね?」

潤「ああ、懐かしいって言うか、何か知ってるような感じがね...」

和「見た事無い筈なんだけどなぁ」


なんであのお爺さんはそんなに二人の世話を妬くのか。
だって俺と潤くんが願う前から、二人をくっつけようとしてたって事になるじゃないか。


和「あ...? でも確か、大野さんって“本当の幸せ”を手に入れたら戻るんだよね?」

雅「へ? その変な約束もお爺さんが?」

潤「そう。だから俺達リーダーの幸せを願いに...」

雅「じゃあ、そのお爺さんはリーダーの好きな人が翔ちゃんだって知ってるんだね」

潤「は?」

雅「だってそうなるじゃん。翔ちゃんがリーダーの事好きだからって無理やりくっつけないでしょ普通」


大野さんの好きな人が翔さんだって分かってたのか。
とすると、翔さんより先に大野さんに接触してるのか?


雅「リーダーの守護霊とかじゃないの? そのお爺さん」

潤「霊...?」

雅「だって不思議すぎるでしょ。急に現れたり夢に出て来たり。神様じゃなかったらオバケだよ(笑)」


神様の次はオバケかよ。


これだから新人くんは。





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