神様の願い事
第7章 謎のオバケ
《sideO》
うっかり目を閉じると、翔くんの温もりが俺の全身に伝わる。
暗い部屋で、隣室から射し込む光だけを頼りに俺に温もりを伝えてくる。
翔「ほら、やっぱり...」
智「ん...」
床に崩れた俺はベッドを背凭れに、それを気遣う翔くんは、しゃがみ込んで俺の前に。
翔「貴方のキスでしょ、これ」
優しく介抱する変わりに、柔らかい唇から温もりを伝え、“貴方のキスだ”と少し笑う。
智「だか、ら...」
“貴方って誰だよ”とツッコミたいのに、その言葉も吐かせてくれず。
智「違うって...」
違うと言っているのに、翔くんの言う“貴方”は俺の事を指していて。
翔「こんなに、そっくりなのに」
そんな事を言っても、その口調は自信たっぷりだ。
翔「甘いな...」
智「ぁ...」
翔「首にも、付いてるんじゃない?」
俺の咥内を堪能すると、湿った息を吹きかけながらその顔をずらす。
智「ぁ、しょ...」
静かにずらした顔は俺の首元に納まり、“甘い”と言う箇所に舌を這わせた。
智「...っ」
ふわふわした耳の手触りが心地好いのか、その耳をゆっくりと撫で付けては俺の首に吸い付いて。
智「ん、ふ」
耳は擽ったいし、首元はじんわりと温かいし。
智「っ、あ...」
俺の脳が痺れる事なんて、ひとたまりも無かった。
翔「ふふ...」
やっぱり酔いが回っているのだろうか。
俺の漏らした息を聞いて笑みを零す翔くんには、戸惑いの色すら見えないんだ。
翔「そんな甘い声、出るんだ...」
正常であれば、翔くんがこんな行動を起こすなんて考えられないし。
智「ぁ、も、駄目」
俺にもまだ酒が残っているのか、このままでは自分が抑えられそうに無い。
翔「駄目...?」
智「離し、て」
翔「...キス、したかったのは智くんでしょ?」
ほらまた。どこでそんな自信を手に入れてきたんだ。
翔「“したい時もある”って、智くんが言ったんだよ?」
だから、何故俺だとお前は分かるんだ。
智「人、違いだ」
本当に神様が居ると言うのなら、助けてくれ。
頼むよ。
今すぐここから、俺を逃がして。
うっかり目を閉じると、翔くんの温もりが俺の全身に伝わる。
暗い部屋で、隣室から射し込む光だけを頼りに俺に温もりを伝えてくる。
翔「ほら、やっぱり...」
智「ん...」
床に崩れた俺はベッドを背凭れに、それを気遣う翔くんは、しゃがみ込んで俺の前に。
翔「貴方のキスでしょ、これ」
優しく介抱する変わりに、柔らかい唇から温もりを伝え、“貴方のキスだ”と少し笑う。
智「だか、ら...」
“貴方って誰だよ”とツッコミたいのに、その言葉も吐かせてくれず。
智「違うって...」
違うと言っているのに、翔くんの言う“貴方”は俺の事を指していて。
翔「こんなに、そっくりなのに」
そんな事を言っても、その口調は自信たっぷりだ。
翔「甘いな...」
智「ぁ...」
翔「首にも、付いてるんじゃない?」
俺の咥内を堪能すると、湿った息を吹きかけながらその顔をずらす。
智「ぁ、しょ...」
静かにずらした顔は俺の首元に納まり、“甘い”と言う箇所に舌を這わせた。
智「...っ」
ふわふわした耳の手触りが心地好いのか、その耳をゆっくりと撫で付けては俺の首に吸い付いて。
智「ん、ふ」
耳は擽ったいし、首元はじんわりと温かいし。
智「っ、あ...」
俺の脳が痺れる事なんて、ひとたまりも無かった。
翔「ふふ...」
やっぱり酔いが回っているのだろうか。
俺の漏らした息を聞いて笑みを零す翔くんには、戸惑いの色すら見えないんだ。
翔「そんな甘い声、出るんだ...」
正常であれば、翔くんがこんな行動を起こすなんて考えられないし。
智「ぁ、も、駄目」
俺にもまだ酒が残っているのか、このままでは自分が抑えられそうに無い。
翔「駄目...?」
智「離し、て」
翔「...キス、したかったのは智くんでしょ?」
ほらまた。どこでそんな自信を手に入れてきたんだ。
翔「“したい時もある”って、智くんが言ったんだよ?」
だから、何故俺だとお前は分かるんだ。
智「人、違いだ」
本当に神様が居ると言うのなら、助けてくれ。
頼むよ。
今すぐここから、俺を逃がして。