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神様の願い事

第8章 半猫人

《sideN》



潤「なんかさぁ、呪われてるんだってよ?」

和「へ?」

潤「リーダー。あのお爺さんに」


神妙な面持ちで話始めたと思ったら、急におかしな事を言い出した。


潤「昨日電話かかってきて。“どうしよう。俺、猫になっちゃうかもしんない”とか言い出して」

翔「え? え? 何それどういう事」

雅「お爺さんが、リーダーに猫になる呪いをかけてたって事?」

和「え、でも猫にしないでしょ?」

雅「だよね、だって自分...」

翔「へ?」

雅「あ、いや」


大野さんだけ別の仕事で入りが遅くて、だから4人でリーダーが来るまでの時間を潰していたんだ。


潤「猫にするつもりは無かったらしいんだけど」

和「うん」

潤「解く方法を忘れたとかで」

翔「はい?」


話を要約すると、あのおじいちゃんは呪いを解くつもりだったのだけど、歳のせいか解き方を忘れたと。


潤「猫にする方法も、奇跡的に覚えられたようなモンだったんだって」

雅「ふはっ」

翔「笑い事じゃないよ。一大事じゃないか」

雅「いや、ごめんっ、く」


翔さんは眉を吊り上げて憤慨しているが、相葉さんの笑いの意味は俺にもわかる。
潤くんだってわかってるんだろう、必死で笑いを堪えているんだ。


翔「そんな覚えも出来ないような事、なんですんだよあのじいさん」

潤「本当、そうだよね…っ、ふふ」


一生懸命覚えたんだろうな。
唇を尖らせて背をまるめて。
必死で毎日呪文を唱えていたに違いない。


翔「てか、じゃあどうやったら元に戻るんだよ」

和「だからそれは、“本当のシアワセ”じゃないの?」


解き方も一生懸命練習したんだろう。
だけどほら、やっぱおじいちゃんだから。
今でも勉強系はからっきし駄目なのに、歳をとってそんな事するから忘れるんだ。


翔「なんだよ。智くんの、本当の幸せって...」

雅「それは」

潤「しっ」


想像すると、ポーカーフェイスが崩れてしまう。
だって絶対面白いんだ。


和「ほら、言ったじゃん...」


だけど、笑ってる場合じゃない。


雅「大丈夫だよ。絶対、大丈夫だから」

和「うん...」



翔さん、早くリーダーを元に戻してやってよ。




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