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神様の願い事

第1章 不思議な噂

《sideM》



潤「なんかあった?」

翔「いや… 何も」


二人でのロケが始まる前から少し翔さんはおかしかった。
普段はよく話すのに、今日は大人しいと言うかなんと言うか。


翔「はぁ…」

潤「溜息ついてるじゃん」


昨日は意気込んでリーダーを送って行った筈なのに。


潤「…リーダーとなんかあったの?」

翔「えっ」


図星か。


翔「や、なんも無いよ」

潤「ふうん…?」


何があったんだろう?

気になる。






潤「あっ、リーダー?」


翔さんとの仕事が終わって俺はリーダーに電話をした。


潤「もう飯食った?」


リーダーも丁度仕事が終わったとこらしい。
俺のタイミングはバッチリなんだ。


潤「今近くにいるからさ、一緒に飯食わない?」


翔さんは何も話してくれないだろうし、そうなりゃリーダーの方が手っ取り早いかなと思ったんだ。
それになんだかんだで俺の誘いに乗ってくれる。
そんな訳で、つい誘いたくなるんだよな。





智「潤」


公では松潤と俺を呼ぶけど、この人はたまに俺を名前で呼ぶ。
お兄さんのつもりなのかな。

まあ気分次第なんだろうけど、俺は結構気に入ってる。


潤「こっちこっち」


辺りをキョロキョロと伺いながらペタペタと俺の元にやって来る。
キョロキョロと不安そうな顔をしてたのに、俺を見付けると途端に安心した顔を見せるんだ。


潤「お腹空いてる?」

智「うん」


俺の前に座ったリーダーは背を丸めてまるで子供のようだ。


潤「これ食べる? すっげ美味いよ」

智「うん、食べる」


受け答えもまるで子供だ。

リーダーは俺より年上だけど、店は俺が決める。
だってわかんないから決めてって言うし。

なんならメニューだってほぼ俺が決めてる。
なんでもいいって言うから。


潤「ふふっ」

智「え、なに?」


俺に全てを任せて安心してる。

お前が決めたのならなんでもいいよって。

そんな空気を出してくるんだ。


智「ふふっ、なんだよ」


俺に限らずメンバーにならいつだってそうなんだ。


翔さんの気持ちも、分からないでも無いな。







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