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神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideM》



和「ねぇどうだったのかな。ちゃんと戻ったかなぁ」


いつもの如く駐車場でハチ合わせた二人と並んで楽屋へと向かう。


潤「何かあったら連絡くらいするでしょ」

雅「そうだよ。無いって事は、問題無いって事だよ」


未だ不安を抱えるニノを、二人で宥めながら楽屋へと到着する。


潤「もう来てるみたいだよ? 話し声聞こえる」

和「あ、本当だ」


“よかったぁ”なんて胸を撫で下ろすニノの背を押して、相葉さんはドアノブに手を掛けた。
ガチャリと静かに開くと、その部屋から翔さんの後頭部が見える。


潤「ちょ、待って」

雅「ん?」


ソファーの背凭れから翔さんの後頭部が見えて、その後頭部にはしなやかな手が掛けられていた。


和「おーのさんの手だ...」


リーダーの手が、翔さんの頭を手繰り寄せソファーの影に引き込んでいる。
ソファーからは足が飛び出ているし、膝枕でもして貰っているのかきっと転がっているんだろう。


雅「ちゅーしてるね」


チラリとしか見えない翔さんの髪とリーダーの足が、なんだかとてつもなくエロく見えた。


潤「てことは、上手くいったのか」

和「やっとだな(笑)」


状況を把握した俺達は、さすがにもういいかと勢い良くドアを開けた。


ガチャ


雅「おはよ~」

翔「あっ」

智「え?」


翔さんがその声に驚いて、ガバッとソファーから頭を出した。


和「もぅ、やっとかと思ったらすぐそんな」

翔「や、違」

潤「違わないでしょ。リーダーも結構やるんだね(笑)」

智「う」


からかって、笑ってやろうと思ったんだ。


雅「あれ? リーダー、それ」


だけど面目なさそうに俯くリーダーの頭には見慣れた猫耳が。


雅「え、上手くいったんじゃないの?」

翔「や、いったんだけどさ」

潤「だよね? キスしてたって事は、そう言う事だよね?」

翔「そうなんだけど」


何故だか未だにリーダーには、猫の面影が残ってて。


智「ちょ、やめ」


ニノも不思議そうに眉をしかめがらその耳を撫でているし。


和「...治って無いじゃん!」

智「わぁかったから、離せって、うひゃっひゃ」


おかしいな。

俺の推理では、“本当のシアワセ”とやらを手に入れれば戻る筈だったのに。


何故未だに戻らないんだ。




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