テキストサイズ

神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideN》



潤「て事は、“本当のシアワセ”じゃ無かったって事...?」

雅「まさかリーダー、他に好きな人とか」

智「居ないよ」

和「だよねぇ…」


猫になっちまったのは戻った。
そりゃそうだ、最初から1日だけって約束だったんだから。


雅「あ、それとも翔ちゃんに他に好きな」

翔「居ねぇって」

雅「ですよね…」


やっぱアレか。
あの老いぼれた大野さんに呪いを解いて貰わないといけないのか。


潤「お爺さんに報告した?」

智「や、まだ。家帰ってないし」

雅「呪いを解いて貰うにしても、解き方忘れてるしね」

翔「あぁ、そうだった...」


頭を抱える翔さんは、あのお爺さんが大野さんだって事を知らないから。


翔「なんなんだよあのジジイ」


こんな悪態をつく。


智「でも、最初から“本当のシアワセ”を見付けたら治るって言ってたんだけどなぁ...」


おかしいなと、大野さんも天井を見上げて悩み出した。


智「これでも治んないって事は、やっぱ翔くん...」

翔「ん?」

智「本気じゃ無いんじゃないの」

翔「はぁ?」


翔さんは、これでもかと言う程顔を歪めて大野さんを見るし。


潤「まぁでも、そう考えるのが妥当かな」

翔「え」

雅「だよね。だってリーダー、自分の気持ちを隠してまで翔ちゃんの幸せを願ってたくらいだし」

和「二人の気持ちが通じ合うか、もしくは翔さんが幸せになるか、ってのが大野さんの願いだったしね」

智「でも戻んないって事を考えると」

潤「翔さんが今、幸せを感じてないって事になるのか」

雅「なるほどっ」


ポンと手を打った相葉さんを見て、翔さんは吠えた。


翔「“なるほど”じゃねえっ」


顔を真っ赤にして憤慨する翔さんを見て、大野さんはクスクスと笑いを漏らす。


智「そんな怒んないで。そんな怖いと、今日泊まれなくなるでしょ」

翔「え?」

智「ニノ、鍵忘れたんだって」

和「取りに戻れないのよ。俺今から山奥に籠るから」

翔「山奥?」

雅「撮影なんだって」

和「明日戻るから、もう一晩泊めてやってよ」



“あ、まぁ、いいけど” とか唇を尖らせて言う翔さんはほんの少し頬を赤くして。


“本気じゃない”なんてそんな事、誰も思う筈が無いだろ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ