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神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideM》



雅「友達に毛が生えただけだよ」

翔「え」


翔さんが面食らってた。


和「てか、そんなの只の友達じゃないの? だって前からキスしてたんでしょ?」

翔「や、でも気持ちが」

潤「なに? 何の話?」

和「アレ。治んないからさ」


ニノの目線を辿ると、そこにはソファーでまるまって寝る猫のようなリーダーが。


潤「お爺さんに報告したんでしょ? なのにまだ生えるの?」

和「もっとあるんだってさ。“本当のシアワセ”ってのが」


どうやらまだ足りないらしい。
気持ちの問題なのかどうかは知らないが、もっと奥深いんだと言われたと言う。


雅「そしたらまだキスしかしてないって言うから」

潤「あー、ね」

和「ね」


三人の視線を受けて、翔さんは唇を尖らせた。


翔「や、だって」

雅「だってじゃないよ。中学生じゃないんだから」

翔「でもさ、まだ気持ちが通じ合ったところだよ?」

和「でも大人じゃん」

潤「キスは何度もしてたくせに何を今更」

翔「い、今更って」

和「ほら見てよ。翔さんが何もしないから安心しきっちゃってるよ?」


その言葉に目をやると、リーダーはまるで何にも考えてないかのような無垢な寝顔を晒していた。


雅「普通こんな恋人ほやほやでさ、あんな緊張感無くなったりする?」

翔「だからそれは、慣れた間柄だし...」

和「でもさあ、同じ気持ちなんだってわかったら逆に、ドキドキしたりなんない?」

雅「え、ニノしてるの?」

和「オマエはしないの?」

雅「オマエって(笑) してるに決まってんだろ」


急にノロケたなコイツら。


和「おーのさんはドキドキしないのかなぁ」


夢見心地でむにゃむにゃ言ってるリーダーは、そんな素振りを見せなくて。


潤「あんなエロいキスするのに」


やっぱ一応男だし。
性欲なんてものは人並みにあるんだろうけど。


雅「ドキドキしてるの、翔ちゃんだけだったりして(笑)」


それが本当なら笑い事じゃないぞ。

翔さんはその言葉にショックを受けてリーダーに見入ってしまったけど。


二人の“恋人の関係”とやらがこのままなら、リーダーは永久に半猫人となってしまうんだから。





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