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翔「智くん」


帰り支度を済ませた翔さんが、大野さんに声をかける。


翔「ふふ、おまたせ」

智「ん」

翔「いこっか」


デレるにも程があるだろ。
まぁ、あんな尻尾立たせて見られちゃデレるのも分からないでも無いけど。


潤「リーダー、まだ出てるよ？」

智「お、やべ」

雅「引っ込めるのも大変なんだね」


ムムムッと気合いを入れた大野さんの頭からは猫耳がスッと消えた。


雅「リーダー、ちゃんと治して貰ってよ？」

智「ん？ ああ」

潤「頼んだよ翔さん」

翔「えっ」

和「大野さん明日休みでしょ？」

智「うん」

潤「だったら問題無いね」

雅「あ、やっぱリーダーがそっちなの？」

智「へ？」

潤「じゃないの？」

和「や、でも大野さんも結構男っぽいよ？ なんなら翔さんのが乙女っぽくない？」

潤「あ～」

雅「わかるぅ～」

智「何の話？」


鈍いのかそれとも知らないのか。
こんな会話を目の前でされても大野さんはきょとんとする。


翔「そっちて、何？ どういう事？」

和「へ？」

雅「知らない訳ないでしょ、翔ちゃんがぁ～」

潤「只の照れ隠しだよね？」

翔「ま、まぁ、ね」

智「何を照れたの？」


なんだか嫌な予感。
ウチの物知り博士でも知らない事とかあるんだろうか。


和「翔さん、わかってんだよね？」

翔「も、もちろんだよ」

和「ホントに頼むよ？」

翔「お、おぅ」


ちょっと目が泳いだのは気のせいだろうか。

いやでも、さっきあんな話してたところだしな。


いくらなんでもそんな。


本気で脳ミソまで中学生になってる訳じゃ無いだろうよ。