神様の願い事
第10章 恋人の定義
智「ぁ...」
ベッドに沈み、俺の肩を押さえ付けるようにして翔くんは首筋にキスをする。
掴まれた肩も、キスをする首もじんわりと暖かくて。
俺はあっという間に微睡んでしまう。
智「ん、翔くん...」
服が邪魔だ。
智「濡れてるから、脱いで...」
暖かい温もりの後で、ひんやりとした感触が俺の肌を撫でる。
その服を早く取っ払ってしまいたくて、俺は翔くんの服に手を掛けた。
翔「っ...」
脱がせようとしただけなのに、俺の上に覆い被さる翔くんに吸い付いてしまった。
服を捲り上げると白い身体が露わになって、思わずその胸に頬をくっつけた。
翔「ぁ、さと」
くっつけた頬に、プチッとした感覚が。
それを横目で確認すると翔くんの胸に控えめに付いた小さな乳首だった。
だから、それに吸い付いた。
翔「んっ、ぁ...」
気持ちいいのかな。
翔「待って、脱げな」
焦ってるみたいだ。
智「ふふっ...」
翔「え」
コロンと翔くんをひっくり返し、あっという間に立場は逆転だ。
翔「ぁ、ちょ...」
濡れたTシャツを素早く翔くんの頭から引っこ抜くと、さっき俺がされたように、翔くんの首筋に吸い付いた。
ふんわりと、優しく唇で撫でて。
ゆっくりと、舌を這わす。
そして時折、チュッと啄むように吸い付いて。
翔「は、ぁ...」
翔くんの唇から熱い息が漏れると、俺はそのまま顔をずらして鎖骨に移動する。
鎖骨にも同じように愛撫をして、その間にすべすべな翔くんの肌を堪能すべく、ぴったりとくっつきながら手を滑らせた。
智「気持ちいい...?」
翔「うん...、温かくて、夢見心地...」
“夢見心地”と言う翔くんは、目を細めて俺を見てる。
その顔はなんだか幸せそうで。
智「ふふ、よかった...」
俺によってそんな顔をしているのかと、嬉しくなった。
翔「っ、ん...」
胸に吸い付くと、ピクッと瞼が震えた。
そんな顔だって、初めて見たかもしれない。
なんだ、男でも出来る事って沢山あるんだな。
それならもっと、俺だけが知る “初めての顔” 見てみたいな。