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神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideM》


ニノが不思議な動きをしていた。


潤「なにやってんの?」

和「お花摘んでるの。いっぱい咲いてたから」


何かを毟り取る仕草をするニノの前には翔さんがソファーに座っていた。


潤「花?」

和「見えない? まるでお花畑だよ」


ぐるりと回って覗き込むと、翔さんは何やらニヤけている。


潤「エロ記事でも読んでるの?」

和「新聞なんて見てないよ。持ってるだけ」


よく見てみれば、確かに翔さんの目線は文字には向いておらず。
空想にでもふけっているのか、ニヤニヤと笑みを漏らしていた。


潤「こわ」

和「ね?」


ニノの呆れた声も聞こえず、やってきた相葉さんが挨拶をしても反応も示さない始末だ。


雅「なにコレ」

和「翔さんだよ」

雅「や、それは分かるけど。こんな顔だっけ?」


違うと言われれば違うような。
只のそっくりさんだと言われればそうかもしれない。


潤「いや、やっぱ翔さんだよ。間違いない」


うっかり他人だと思いそうになった。
それ程翔さんの顔は緩んでいる。


雅「ひょっとして昨日何か...」

和「あったのかな」


俺達に“早く治してやってよ”とけしかけられて楽屋を出た二人に何かあったのかもしれない。

でなければこんなデレた顔、する筈が無いし。


雅「てことは、ついに...っ?」

潤「かもね」

和「うわぁ...。おーのさん大丈夫かな」

雅「え、よかったじゃん。これで猫化も治るんだよ?」

和「そうだけどさぁ」


ニノの心配も分かる気がする。
だって情事があったであろう翌日のニノは、ずっと腰を押さえて辛そうにしていたから。


潤「翔さん」

翔「ん...? ってみんないつの間に」

和「あ、おはようございます」


ニノに毟られてたのも気付いてなかったのか。


雅「ね、リーダー大丈夫だった?」

翔「え? ああ、うん(笑)」

和「今日は何してるの? 家で休んでる?」

翔「いや、釣りに行ったよ」

和「へ?」

翔「すっごい晴れてたからさ。“釣り日よりだー”って早朝から(笑)」


なんとタフな。

翔さんの話ではリーダーは喜んでスキップしながら出て行ったと言うし。


和「よく行けたな…」


なんだろう。

翔さんて、実は物凄いテクニシャンなのか。





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