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神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideN》



和「ぁ、ねぇ...」

雅「ん?」

和「その気に、なった...?」


さっきいい話を聞いたモンだから、試してみようかななんて思ったんだけど。


雅「その気?」


相葉さんは終始俺を見下ろしている。


雅「...俺を、抱きたいと思うの?」

和「ってか、えと...」


いつもこういう時は大人の雰囲気を出して、俺をコドモ扱いしやがるから。


雅「そんなにうるうるの目して何言ってんの?」

和「べ、つに潤んでなんか...」


たまには逆転してちょっと焦らせてやろうかと思ったんだ。


雅「今まで我慢してた?」

和「え...?」

雅「ずっと、嫌だったの? 俺にこんな事されるの...」


なのに焦らされるのは俺なんだ。


和「そうじゃ無、い」


だって、本当にそんな事考えてたら普通は手を止めるだろ?
なのに相葉さんは止めるどころか激しくなって。


和「っ、あ...」

雅「ほら、こんなに疼いてるのに」


俺の疼きが、指の感覚だけで分かってしまうんだ。


雅「駄目だよそんな顔しちゃ...」


目が潤んでるのも、指摘されなくても分かってた。


雅「そんな顔見たら、その気になんてなる訳ないよ」

和「な、んで」

雅「だって」


只俺は、相葉さんの熱によって魘されて。


雅「俺は、お前のその顔が見たいから抱きたいんだよ」

和「え...?」

雅「ここは、俺の特権なの」


俺の上で、俺を見下ろしながら。


雅「お前の役目はその顔を俺に見せる事だよ」

和「っ、ふ」

雅「白い顔に、ピンクの頬で」

和「あ、ぁ」

雅「紅くなった唇を少し開けてさ」

和「ん、ぅ...っ...」

雅「甘い息を吐くんだよ」

和「っは、ぁ、あいばさ...っ」

雅「これを見られるのは、俺だけなんだ...」


だからこれは譲れないとかなんとか。

そんなの俺にしちゃなんて都合のいい話なんだってとこで。


和「そ、んなの、ずる...」


とか言っても逆転の可能性はとっくに消えてるし。


雅「お前が可愛すぎるからだよ」


随分と余裕な顔をしやがる。


雅「自分を、恨め...」



だけど本当は、俺も“オトコ”の相葉さんを見るのは結構好きなんだ。


だから、暫くは言う通りにしといてやってもいいけどな。





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