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神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideN》



潤「でさ、どうだったの釣り」

智「ん?」

潤「行ったんでしょ?」


一足早く来て雑誌の撮影をしていた大野さんは、ソファーに座ってくつろいでいた。
そこへ、やって来た潤くんが質問を投げかける。


智「結構釣れたよ」


その質問に、ニコッと笑って答える大野さんは普段と何も変わらない。


智「でっかいのも釣れたんだよね♪」

和「それってさ、結構力使うんでしょ?」

智「デカいのは重いからね」

和「大丈夫だったの?」

智「へ?」


“なにが?”と言わんばかりの顔をして、まるい瞳をチラリと向けた。


潤「だから、腰とか」

智「腰?」

和「響かなかった?」

智「…別になんとも無いけど?」


やっぱすげえわ。
どんな身体してんだ。


和「いやもう、信じらんない」

智「ええ? だって俺、別に腰悪くないよ?」

潤「そういう事じゃなくて」


なんだろうこのノリ。
あれか、情事の事が恥ずかしくてバレないように強がってるのかもしれない。


雅「隠さなくてもいいよ、もう翔ちゃんに聞いたんだから」

智「え」


いつの間にか後ろに立っていた相葉さんは、おはようも言わずに会話に参加してきた。


智「聞いたってなにを?」

潤「リーダーもう耳出てないじゃん?」

和「どうやって治したのかなって、聞いたんだよ」

智「あ~…」


絶対に思い当たる節のある大野さんは、少し顔を逸らして恥ずかしそうな顔をした。


智「ったく、そんなん聞くなよ(笑)」

雅「だぁって。気になるじゃん、ねぇ?」

和「そうだよ。猫になっちゃうんじゃないかって心配だったんだから」

潤「相葉さんは違う意味で気になってたけど(笑)」


いや実は。
ひょっとしてヤッてないんじゃないかって疑ってたんだけど。
だけど明らかに照れてるし、やっぱりちゃんと済ませたんだなと、俺は安心したんだ。


雅「けど本当ピンピンしてるよね」


だから疑ったんだけどね?


雅「ねぇ、翔ちゃんにどんな事されたの?」

智「はぁっ?」


おい、ストレートすぎだ。


雅「なんで痛くなんないのかなぁ」

智「なぁにを言って…」


呆れ果てた大野さんは、翔さんの手順を教える気なんて全く無いんだ。

だけど首は捻ってた。

なんで痛いんだと、とても不思議そうな顔をしたんだ。




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