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神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideM》



雅「あっ翔ちゃん」

翔「あ、おは」


ガチャッと開いたドアの隙間から翔さんの顔が見えた。
それと同時に相葉さんは翔さんに詰め寄る。


雅「どんなの使ってるの?」

翔「なにが」


ドアップで詰め寄られた翔さんは、目の焦点が合わないまま返答した。


雅「なんか専用のがあるって聞いたんだよね。俺、普通のヤツしか持ってないからそれが駄目なのかなぁ」

翔「専用?」

雅「ひょっとして翔ちゃんて、そっち使ってる?」

翔「だから何の話を」


俺達に目配せをして、翔さんは“コイツは何を言ってるんだ”と訴える。
その最中、ソファーに座るリーダーとも目が合ったんだろう。一瞬にして翔さんの表情は緩んだ。


翔「あ、智くん」

智「んふ、おはよ」

翔「うん、おはよ」


なんだ急に。
一気に周りに甘い空気が立ち込めてしまった。


翔「もう雑誌は終わったの?」

智「うん。結構早く終わった」

翔「そっか、お疲れ」


ほほう。
なかなかいい雰囲気じゃないか。
付き合いたてのカップルのような新鮮さもあるが、熟年夫婦のような安定感もある。

まあ、放置された相葉さんはキョトン顔で二人を見ているが、それはそれでよしとしよう。


和「もぅ、馬鹿かよ。こんなとこでそんな話すんじゃないよ」

雅「だって翔ちゃんだったら知ってるかなって」


そうだ、相葉さんは何を聞いてたんだろう。


和「俺が恥ずかしいだろうがよ」

雅「でも、いい方法があるんならそっちの方がさ」

潤「んでそれ、何の話だったの?」

和「あっ、聞かなくていい」

潤「いや教えてよ」

和「潤くんには必要無い情報だから」

潤「えー。気になるじゃん」


いくら必要無いと言われても、気になるものは仕方ない。


翔「そうだ、何の話だったんだよ?」


ほら、翔さんだって気になった。


雅「え~じゃあ、ニノの居ないところで…」

和「結局聞くのかよ」


“ほんっとありえない”とプンスカとニノはリーダーを連れ出した。
“アナタも聞かなくていいんだよ”と言いながら、二人で廊下に出てしまった。


なんだかニノには悪いけど。


面白そうな話だから、俺も会話に参加する事にしよう。



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