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神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideS》



だから俺は何を聞かれているのか。


雅「やっぱ普通のじゃさ、途中で乾いてきちゃうんだよね」

潤「あ~、やっぱ女の人とは違うから?」

雅「そうなんだよ。したら、専用のがあるって小耳に挟んだから」

潤「へえ、そんなのあるんだ」


“翔ちゃんもそうなんない?”なんて聞かれたけど、まず主語を話せ。
なんの話題だっつー所から話せ。


雅「だからしょっちゅう塗り直してんだけどさ、その“間”がね…」

潤「シラけそうだよね(笑)」

雅「まぁそこは、ムードを保ってやってるけどね?」


んで、またチラッと俺を見るんだ。
俺に聞きたいのは分かった。その眼差しがとてもピュアだって事も分かった。
だけど、何を聞きたいのかは分からないんだよ。
だから落ち着いて話せと。


雅「だからさ、翔ちゃんはどんなの使ってるの? ローション」


ろーしょん。なるほど。


翔「…はっ?」

雅「やっぱ専用のヤツ? だから痛くなんないとか?」


え、使うの?


雅「俺も買おっかなぁ」

潤「の方がいいんじゃない? 最近はニノも慣れてきたのか辛そうなところは見ないけど、やっぱ負担は無いに越したことないよね」

雅「だよねぇ」


え、ちょっと待って。どんなタイミングで使うのそれ。


雅「いろんなのあったから教えてよ。やっぱネットでしょ?」


完全に俺がネットショッピングをしたと思い込んでる。
そんな相葉くんは俺にスマホをかざすけど。


「そろそろスタンバイお願いしまーす」

雅「あ、はい」

潤「ニノ達呼んで来なきゃ」


どんな受け答えをしようかと首を傾げかけたその時、実にタイミング良くスタッフに助けられた。


雅「じゃあ後でね、翔ちゃん」


爽やかな笑顔を振りまく相葉くんは、漸くスマホを仕舞ったけども。

その笑顔は只ひたすら純粋で。


翔「お、おう。後でな」


それなら、俺は咄嗟にこんな言葉しか出て来ないんだ。





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