テキストサイズ

神様の願い事

第10章 恋人の定義

《sideM》



「大野さん、次行きますよ」

智「あ、ハイ」


マネージャーに呼ばれ、リーダーは次の現場に行く。


潤「頑張って」

智「うん、お疲れ」


皆口々にリーダーを労い、帰る準備をした。


雅「ねね翔ちゃん、この後予定ある?」

翔「や、特に無いけど」

雅「んじゃメシ食って帰んない? あれ、教えてよ」


ああ、アレか。


潤「俺も行く」

和「俺は帰る」

雅「ええ~、ニノも行こうよ。折角皆いるんだし」

翔「や、俺まだ行くとは」

和「どうせあの話すんだろ?」

雅「だからこそだよ。ニノにも一緒に選んでもらわなきゃさぁ」

潤「そうだよ、折角翔さんが居るんだし」

翔「だから俺まだ返事してな」

和「もぉ~ 面倒臭いなぁ…」

雅「よし決まったっ」


予定がない=断らないと脳内変換した相葉さんは強者だ。
返事を聞いて貰えず戸惑う翔さんを強引に押し出し、“目的地はココね”と勝手にナビをセットした。







潤「着いたよ」

和『ちょっと待って、コッチもすぐ着くから』


車に乗ったまま待機する翔さんと鉢合わせた。
ニノに電話をすると、もう着くと言うから。


雅「お待たせ」

和「翔さん、これ持って」

翔「あ、はい」


何やらビニール袋を車から取り出し、翔さんに渡す。
ネギが飛び出ているし、きっと鍋の材料でも買ったんだろう。


翔「え、ここ相葉くんち?」

雅「考えたんだけどさ。やっぱそういう話って、外ではしづらいじゃん?」


当たり前だろと突っ込むのかと思ったのに、翔さんはなんだか少し戸惑った。


翔「あ、ハハ、まぁね」


いや、苦笑いか? 困っているのか?


雅「くぅ~、余裕の笑いだね(笑)」

翔「よ、余裕ってそんな、ははは…」


なんだか固いな。
笑顔が引き攣っていると言うか、焦っていると言うか。


翔「ふぅ…」


ウキウキと歩く相葉さんの後に俺達は続く。
その翔さんはなんだか肩を落として溜息をついた。

あんまりこういう話ってスキじゃないのかな。
心にひっそりと秘めておきたいタイプなんだろうか。

まぁ確かに中学生ノリな気はするけど。


でもあの二人の為だし、翔さんだって親身になって教えてくれる筈だよな。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ