
神様の願い事
第10章 恋人の定義
雅「ほらココ、見て」
恥ずかしそうに顔を赤くしたニノに代わって相葉くんが口を開いた。
その指した画面を見てみると、これまた丁寧に図解が載っていた。
潤「前立腺…?」
雅「そ。ここ、性感帯なんだよ」
へえええ。
そんなところにあるのか。
雅「だから行為に慣れるとね、少しずつ気持ち良くなってくみたい」
潤「そうなの?」
だからニノに聞いてやるなよ。
真っ赤じゃないか。
潤「でもコレさぁ。リーダーも知らないんでしょ?」
翔「え? あ、うんたぶん…」
知らない筈だ。だって触れる事さえ“いいの?”と聞いてきたくらいだし。
潤「リーダーするかな、こんなの…」
まぁ確かに、“こんなの”だ。
今までの常識を覆す事になるだろう。
和「でもさ、別にやんなくたっていい訳でしょ?」
雅「え?」
和「だって猫化が治ったって事は、おーのさんは充分満足してるって事なんじゃないの?」
潤「だね。“本当の幸せ”ってヤツ? 感じてるんだろうね」
雅「あ~、そっか」
いやまぁ、そうだけど。
潤「じゃあ何も無理にやんなくてもいいよね」
和「と、思う」
雅「やっぱキモチが大事だからね~」
え、ちょっと待てよ。俺のキモチは?
雅「翔ちゃんも無理やりとか嫌でしょ?」
翔「そりゃ、当たり前だろ」
そんな話で落ち着くならこんな勉強会しなくて良かったんじゃねえの?
まずい事に、俺は新しい愛のカタチを知ってしまって心臓がバクバクしてるんだぞ。
潤「どしたの? 唇尖ってるけど(笑)」
雅「あ、ちょっと興味湧いてきたんじゃない?」
和「ヤリたいの?」
翔「べ、別に俺は…」
ちょっと想像したんだ。
俺の下で眉を歪ませる智くんを。
顎を反らせて、唇を薄く開いて。
それで、甘い吐息を吐くんだ。
雅「じゃあ、コレでいいよね?」
潤「何それ」
雅「ローション。専用のね」
恨めしそうに俺を見る瞳は熱で潤んで。
それで小さな声で、俺を呼ぶんだ。
和「2個?」
雅「ふたりぶん♪」
そんな空想にふけっている俺の隣で、相葉くんは注文ボタンをポチッと押した。
