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神様の願い事

第11章 オトコの役割




智「ぁ、狡いよ…」

翔「狡い?」

智「だって俺は、こんなのされたら…」


固くなってた身体も熱くなって、唇からは甘い息が漏れ始めた。


翔「…好きでもないのにこんな事するから、狡いって?」

智「そ、だよ…」

翔「好きじゃないって、誰が決めたの…」


小さく開いた唇から熱い吐息を吐き、智くんは瞳を潤ませている。


智「苦しくなるだけじゃん…」


今にもその瞳から水滴が零れ落ちそうだ。


智「翔くんだって、苦しいんじゃないの…?」

翔「他に、好きな人が居るのにって?」

智「情けでこんな事しなくたって、俺は大丈夫なんだから…」

翔「情け…?」


勝手に誤解をしたくせに、その事が余程ショックだったのか。
智くんは珍しく卑屈になってしまった。


智「え? ちょ…」


何を言ったって耳に入っていないらしい。
だったら行動で示すまでだ。


智「っ、だ、駄目だよ」


智くんの身体を撫でていた手を這わせ、ジーンズのベルトを外してやった。
そしてその中に手を滑り込ませると、既に反応を示すものを掴む。


智「それは、駄目だって…」


藻掻いているうちにシャツのボタンは外しておいたし、俺は智くんの熱を擦りながら身体に舌を這わせた。
そしてその唇を少しずつ、少しずつ下へとずらし臍に到達した時、智くんの身体は強ばった。


智「翔くん、もう…」


俺の頭を掴み、身体を強ばらせる。
それはきっと、俺の次の行動を予測したからだろう。


翔「情けで、こんな事出来ると思う?」

智「っ、や、やめ…」


やめろと制する智くんの手を押さえ付け、俺は頭を更に下へとずらした。

そうして、智くんの熱を俺の口に含んだ。


智「…っ、は」


押さえ付けた手を振りほどき、またもや俺の頭を掴む。
髪を掴んで引き離そうとするんだ。


智「しょ…、離れ、て」

翔「やだよ」

智「やだじゃ、なく、て…」


話す合間にも、押し殺した吐息が漏れてる。


智「ん、ぁ…」


少し上体を起こして俺を睨み付ける智くんの目は潤んでいる。


翔「情けじゃないよ」

智「は…っ、ぁ」



怒りを湛えているのか潤んでいるその目に、俺は訴えるんだ。




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