
神様の願い事
第11章 オトコの役割
ベッドに転がる俺の上に翔くんを乗せて、ゆっくりと甘いキスを交わす。
智「ん…」
互いに角度を変え、唇を啄んだり深く重ねたり。
そんなこんなでついうっとりとしてしまった俺の太腿に、翔くんの熱が伝わる。
翔「智くん…」
我に返ってみれば、俺の服ははだけており髪も汗で濡れていた。
それに引き換え翔くんは服をきっちり着ていて、何処も乱れた様子は無い。
え、こんな展開初めてなんだけど。
俺は先にイッてしまったし、翔くんもイカせてやらなきゃ可哀想だ。
て事は。俺も、触れていいんだよな?
カチャ…
翔「ぁ、智く」
俺だけイカせて自分を後回しになんてするから、翔くんはベルトを外してやっただけで勢い良く跳ね返ってきた。
智「…こんなになってんなら、早く言えばいいのに」
翔「…っ」
俺はベッドに転がりながら、俺に覆い被さる翔くんの首元に吸い付いた。
シャツのボタンをひとつずつ外して、その隙間を縫うように舌を身体へ這わせる。
翔「ぁ、っ」
智「ん? ふふ…」
舌を這わせていると、翔くんの胸が俺の頬に当たったから。
だからそれを口に含んでやると、翔くんは可愛い声を出した。
智「気持ちいいんだ…?」
少し恥ずかしそうな顔を見せたけど、上にいる翔くんは逃げる事だって出来るのにその位置を変えないし。
という事は、もっと攻めてもいいって事だし。
翔「ぁ、ちょ…」
さっきまで“オトコマエ”だったのに、急に焦り出す翔くんがおかしくて。
智「こっちも、触っていいでしょ…?」
翔「っ、智く…」
緩めたジーンズの中に手を差し込むと、翔くんの熱は既にパンパンに膨れ上がっていた。
智「ぁ、熱…」
翔「っ、ふ」
もっと触れたい。もっと、集中したい。
そう思った俺は、コロンと翔くんをひっくり返してベッドに押し倒した。
翔「ぁ、は…」
上に乗って、顔を見ながら熱を撫でてやると翔くんは恥ずかしそうで。
翔「これ、恥ずい…」
智「大丈夫だよ」
なんだか少し新鮮だ。
翔「ちょ、っと待って、それは駄目」
さっき俺にしたのに。
智「なんで?」
翔「だって…」
智「好きだったら出来るんでしょ?」
少し、ワクワクさえする。
智「だから俺も、出来るよ」
俺にオトコの心が、芽生えた。
