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神様の願い事

第11章 オトコの役割

《sideM》



翔「曲がってるよ? コッチ向いて」

智「ん」


やっぱり嫁じゃねぇか。


翔「あ、こっそり寝たでしょ。寝癖付いちゃってんじゃん」

智「え、ほんと?」

翔「全くもぅ…」


リーダーの曲がっているネクタイをチャチャッと直したと思ったら、今度はキョロキョロしてヘアメイクさんを呼んだ。
“この人の髪、直してやってくんない?”とそれはそれは甲斐甲斐しい。

それに比べリーダーは、“ウチの人何にも出来なくてぇ~”なんて影で言われてそうなダンナのようだ。


和「すっかり奥さんじゃん」

雅「ほんとだ」


髪を直してもらう旦那を嫁はにこやかに見ており、
ヘアメイクさんに礼まで言う始末だ。


翔「カフスも片方外れてる」

智「ん? あ」


ちらりと片袖を見やる旦那の腕を取り、嫁はせっせとボタンを留め始める。
そんな嫁が甲斐甲斐しすぎて、旦那はクスっと笑みを零すんだ。


智「これくらい出来るよ(笑)」


そうは言っても旦那も優しいから。
自分の腕を掴む嫁から無理に振りほどかず、キョトンとしながら見ているし。

まるで。


和「出勤前のダンナかよ」


そう、まるでそれ。


潤「相葉さん? 目でも痛い?」

雅「違くて、なんか」

潤「ん?」

雅「エプロンが見える…」


目をゴシゴシと盛大に擦る相葉さんは、目をぱちくりしながら翔さんを見る。


雅「ほらフリフリの、白いエプロン」


翔さんがエプロンを纏っているように見えるんだと、相葉さんが錯覚を起こす程なんだ。


翔「はい、出来た」

智「ん、ありがとう」

翔「うん」


それで、嫁は出ていく旦那をニコニコと笑顔で見送る。


智「…ん? なにやってんの?」

翔「へ?」

智「見送ってどうすんだよ、翔くんも行くんだよ」

翔「あぁ、そうだった」


旦那に促され、嫁もパタパタと後をついていく。


智「ふふ、全く…」


クスクスと笑いを零すリーダーを、翔さんはきょとん顔で見て。


翔「え、なに?」

智「や、なんでも(笑)」


なるほどな。
そりゃ確かに可愛いわ。


雅「あれやっぱ、逆じゃない?」

和「ぽいね」


だけど抱きたいんだろ?


だったらもうちょっと、オトコっぽい所見せないと駄目なんじゃねぇかなと思うよ?





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