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神様の願い事

第11章 オトコの役割

《sideS》




昨晩は智くんを抱いて眠った。という、夢を見た。


悶々した俺はブツブツと文句を垂れながら風呂で頭を冷やし、本日の仕事の準備に励みなんとか気持ちを落ち着かせて眠りについた。

そんな質の悪い睡眠にも関わらずスッキリと目覚めたのは、あの夢のおかげだと思う。

只の夢なのに智くんの甘い香りを感じて。

それで、気持ちの良い朝を迎える事が出来たんだ。




潤「翔さん? いる?」

翔「あれ? 松潤もここだったの?」


偶然にも隣のスタジオで仕事をしていた松潤が顔を覗かせた。
“翔さんもココだって聞いたから”と、屈託のない笑顔を纏っている。


潤「朝から爽やかだね。なんかイイコトあった?」

翔「そう? 別に何も無いよ」

潤「なぁんだ。昨日気合い凄かったからとうとう抱いたのかと」

翔「や、そんなすぐには無理でしょ(笑)」


まずそんな雰囲気にならなかったし。
いや俺はなったんだけど、あの人はそうでもなかったみたいだし。


翔「…あのさ、あの人って、ひょっとしてすっげピュアなんじゃね?」

潤「ぴゅあ?」

翔「うん。なんか、純粋って言うかさ、奥手って言うのかな」

潤「…奥手では無いんじゃない? だって翔さんに迫ってる時のリーダー、めっちゃエロかったじゃん」

翔「ん~、それは確かにそうなんだけど…」


だったらなんだあの切り替えの早さは。
俺はてっきり智くんが迫ってきたのかと思ったのに急にきょとんとするし。


潤「先に進まないの?」

翔「まぁそもそも、まだ知らないんじゃないかな」

潤「あ~、sex出来るって事?」

翔「多分だけどね」


知らないからか?
いや知らなくともあんな夜更けにあんな瞳でキスを迫るなんて。
そしたらもう子供じゃないんだし、後はどうなるかなんて簡単に予想出来た筈だ。


潤「…知らないなら、教えてあげなきゃね」


智くんだって熱くなってると思ったのに。


潤「よかったね、リーダーが知らなくて」

翔「へ?」

潤「だって立場で言うと“上”じゃん? 抱けちゃうよね」


まぁ、俺がリードしなきゃ進まないってのは当たり前ではあるのか。


潤「どこかで教えられる前に手を打った方がいいんじゃないの?」


どこで教えられると言うんだそんなの。


教えるならその役目はどう考えたって俺だっての。




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