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神様の願い事

第11章 オトコの役割

《sideS》



翔「んぁ、もしもし」


どっぷり寝入っているところに着信が入った。
聞こえないフリをしてそのまま寝る事も出来るのだが、なんとかスマホを手に取った。


雅『あっもしもし翔ちゃんっ?』


オマエか。


雅『ごめん寝てた?』

翔「寝てた」


目も開けないままスマホを手に取ったのは、智くんかなと思ったから。
だけどそんな事言える訳もなく。


翔「どうした? なんかあった?」


だけどこんな夜中だし。
何かあったのかもしれないと俺はベッドから身体を起こし、話を聞く体勢に入った。


雅『その』

翔「ん?」

雅『リーダーの事なんだけど』

翔「うん…?」


冷静に考えればこんな夜中の電話、緊急事態かもしれない。
智くんの身に何か起こったのだろうか。


翔「なに… 智くんに、何かあった?」


心臓がドクンと音を立て、全身に緊張が走る。


雅『何かあったって言うか…、どうなってんのかなって…』

翔「へ…?」

雅『だからさ、上手くいってんの?』

翔「は?」


こんな夜中に何事かと思えばそんな事。


雅『進んでんのかって聞いてんのっ』


なんだコイツ。酔ってんのか?


翔「え、なに。用ってそれ?」

雅『…呆れてる場合じゃないんだよっ。俺は心配してるのっ』

翔「大丈夫だって」

雅『…でもまだ抱いてないでしょ』


あ、バレてる。


翔「そりゃそんな急には」


そんな事を心配してわざわざ連絡をしてきたのか。


雅『も~…っ』

翔「なんで相葉くんがそんな怒るの(笑)」


まさかそんなに心配をさせていたとは。
スマンな、俺の為に。


雅『…そんなのんびりしてたら飽きられちゃうよっ!?』

翔「ええ?(笑)」

雅『誰かに取られたって知らないからねッ』


プツッ、ツーツーー


酔っ払った相葉くんは、俺を心配したあまり捨て台詞を吐いて電話を一方的に切った。


翔「なんだったんだ…(笑)」


なんだか急に怒ったし。
誰かに取られるとか、要らぬ心配までするし。


翔「…そろそろ、メシの約束でもしようかな」


確かにのんびりと言えば、のんびりか。
特に約束をする訳でも無かったしな。



折角のアドバイスだ。



そろそろ本腰を、入れるとするか。





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