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神様の願い事

第11章 オトコの役割

《sideS》




雅「…疑ってるの?」

和「なにが」


なんだか今日は楽屋の空気が重い。
三人だけなのに俺は会話にも入れず、少し離れた所から見ていた。


雅「だから、この間の」

和「…疑ってなんかないよ」

雅「でもその顔」

和「あの人はそんなの出来ないって分かってるし。だから只、なんだったんだろうなぁって」


痴話喧嘩かなと思いきや、どうやら二人の話では無さそうだ。


雅「んで、翔ちゃん」

翔「はい?」

雅「最近どうなの。会ってる?」


急に話を振られた。


翔「智くんと?」

和「うん」

翔「この間、仕事終わりにウチ来たけど」

和「それっきり?」

雅「仕事で会う日だけなの? 約束とかは?」

翔「あ~、してない…」


いや、しようとは思ったんだけどさ。


和「こンのボケが」


てか、え。今、暴言吐かれた?


翔「会おうと思ったんだけど、断られたんだよね」

雅「へ。リーダーに?」

翔「うん。とりあえず今日、明日は無理だって」

雅「何かあったっけ?」

翔「雑誌の撮影があるとは聞いてるけど…」

和「口実だな」

翔「え?」

和「雑誌の撮影だからって会えないって事は無いでしょ。夜中までかかる訳じゃ無いんだし」


それは確かに思ったけど。


雅「口実って事は、やっぱアレ…」

翔「アレ?」


目を丸くする相葉くんと、それを見て溜息を吐くニノ。
そのニノの冷たい瞳でチラリと見られた俺は息を飲んだ。


和「飽きちゃったのかなぁ…」


俺の目を見て言うんだ。
横目で、しかもため息混じりに。


翔「え? 飽きたってなに?」

和「…いや、なんでもない。きっと俺の思い過ごしだな」

雅「そうだよね。それは無いよね」


眉を潜める俺を見て、ニノはポケットから小さな紙を取り出した。


和「…とりあえずコレ」

翔「うん?」


その紙をテーブルに置き、俺の前にスッと差し出した。


和「明日、たぶんそこに来るよ。おーのさん」


その紙を開くと、某有名ホテルの名前が書かれていた。


雅「お前いつの間に」

和「ふふ、凄いでしょ」


智くんが出没する筈だと渡された紙。


俺はそこに書いてあるホテルの名前を、しっかりと記憶した。





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