
神様の願い事
第11章 オトコの役割
智「おは… って、何見てんの」
ガチャリと開いたドアから、会いたくて堪らなかった人影が覗いた。
あれから一週間だぞ。
聞きたくても聞けない、問いたくても問い詰められなかったあの人だ。
智「あっ、おま、なんでこんなの持ってんだよっ」
メッセージくらいはやりとりしたけど、“会いたい”とはなかなか言えなくて。
あんな現場を見たもんだから少し怖いのもあったし、何気ない仕事の近況を話していただけだった。
智「翔くんも、見た…?」
写真を奪い取り、チラリと俺を見る。
それは少し申し訳なさそうに、俺を覗く感じで。
翔「うん…」
俺が答えると、眉を下げて小さな溜息を吐いた。
潤「言ってなかったの?」
智「…言える訳無いでしょ、こんなの」
雅「だけど発売されればバレちゃうでしょ?」
智「だからだよ。見せたくなかったから、どうしようかと思って…」
ああなんだ。アバンチュールじゃなかったんだ。
俺に隠れて男とこっそり会ってた訳じゃなくて、俺に見せたくなくて隠してただけなのか。
翔「言ってくれればよかったのに。それならこんな心配しなくてよかったものを」
智「いや、だって」
翔「だって、なに?」
智「結構凄かったんだよ。どんな写真使われるかわかんないしさ、翔くん見たら怒っちゃうんじゃねえかと」
雅「確かにコレは凄いよねえ」
智「や、こんなモンじゃないよ? 俺マジで逃げようかと思ったくらいだもん」
和「え、これ以上のがあんの?」
智「そうだよ? なんだよあの男。ちょっとヤバいぜ」
潤「えぇ。その写真、見せてくれなかったな」
なんですと。
翔「こ、これ以上って、どんなの」
智「適当に動くからとか言い出してさ、あんなコトやこんなコトを」
翔「あ、あんなコトって」
智「あれはダメだよ。あんなんAVみたいなモンだ」
雅「マジで?」
ブツクサと文句を言う智くんは、本当に嫌だったようだ。
それはよかったんだけど、一体何をされたのか気になって仕方が無い。
潤「あぁ(笑) たぶんリーダーがどストライクだったんだよ。すっごい可愛いねって言ってたし」
智「っとに、堪んねぇよ…」
チラリと覗くその首筋。
あの男に吸われたその首元。
今すぐ俺が、清めてやりたい。
