
神様の願い事
第11章 オトコの役割
智「ん、く…」
後ろめたくて、会いづらかったのに。
智「はぁっ、あ、翔く…」
そんな俺の気持ちは完全に無視だ。
翔「智くん…」
智「んぅ…っ…」
会いづらいなんてそんなの知らない。俺は会いたいんだと。
俺の跳ねる身体を押さえつけて、翔くんは熱を送る。
翔「はっ…、も、ヤバ…」
俺だって後ろめたかった筈なのに、そんな翔くんにつられて俺の手は自然に翔くんを触っているし。
俺だって我慢してたんだ。
本当は、会いたくて堪らなかった。
智「ぁ、あ…っ」
翔「っ、く…」
だから互いに動きなんて止まらなくて、俺達はあっという間に熱を放った。
翔「ふ、ぅ…」
“ドサッ”という音と共に、翔くんの身体から力が抜ける。
その力の抜けた身体は、当たり前のように俺に覆い被さった。
翔「今日、泊まっていきなよ」
智「え?」
翔「…一緒に寝たいんだよ。駄目?」
まだ呼吸も荒いと言うのに、俺の胸に顔を預けながらそんな事を言い出した。
智「ん…、そうする…」
俺の心臓の音も聞いているだろうが、俺にだって翔くんの音は聞こえて。
情事の後だし、身体は疲れてこそいるが満足している筈なのに。
なのに何故か離れがたくてすぐに返事をしてしまった。
翔「ほんと!?」
智「え? うん」
翔「こっそり帰んない?」
智「帰んないよ(笑)」
ガバッと身体を起こして目をキラキラと輝かせるし。
智「俺が帰んないのがそんなに嬉しいの?」
翔「当たり前だよ何言ってんの」
どストレートに愛情表現をしやがるんだ。
翔「どうかした?」
智「え?」
翔「ぽかんとしてるから(笑)」
なんちゅー素直なんだと驚いたんだ。
俺は恥ずかしくてそんな事出来ないってのに。
なのに少しも恥ずかしがらず、むしろそんなの当たり前だろうとでも言うようにクスッと笑うし。
翔「シャワーでいい? 服、探しとく」
身体を起こした翔くんは、ベッドに転がる俺を見下ろし笑みを零す。
自信満々の、余裕そうな笑みだ。
智「ん、ありがと」
翔「どういたしまして」
そんな翔くんを見て俺が我慢してるなんて、知らないだろ。
