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神様の願い事

第11章 オトコの役割




ああ、気持ちいい。


翔「ふふ、擽ったいよ…」


カーテンの隙間から光が射し込む。


翔「もう起きたの…?」


薄く目を開けると、外はもう朝で。
もぞもぞと動く智くんは、俺の腰を撫でている。


翔「くくっ、ちょ、擽ったいってば…」

智「ん…」


俺の声に反応した智くんはまだ夢見心地だ。


翔「こら、も~、駄目だって(笑)」

智「んぁ」


俺の腰を撫でる智くんの手をきゅっと掴んだ。
それは細くて、しなやかで。


翔「あれ…、痩せた…?」


いつの間にこんなに痩せたんだ。


翔「え…?」

智「ん?」


その細さに驚いて、俺の胸に張り付いている智くんを見た。
すると、智くんの両手はちょこんと俺のシャツを掴んでいる。


翔「え、俺何掴んでるの?」

智「ぁ、っ」


きゅっと掴み直すと、智くんはぱちっと瞬きをして悩ましい声を出す。


智「ん、離し」


ぷるっと身震いした智くんは、ふわふわの髪を揺らして。
その隙間から、真っ黒くて柔らかそうな、アレを覗かせた。


智「ぁ、ふ」


それを撫でると案の定気持ちよさそうな声を聞かせるし。


翔「ちょ、っと待って? いつから?」


細い手首だと思ったのはしなやかな尻尾で、頭に生えたそれは猫耳だった。


智「ぁ、は」

翔「ねえ、智くんてばっ」

智「ちょ、さわ」

翔「聞いてるのっ? いつからだよこれっっ」

智「っ、だ、から…」


ぷるぷると震えやがってコノヤロウ。

また俺に隠してたな?


翔「なぁんで言わないんだよっ」


ぐりぐりぐりぐり


翔「心配させるからとか? またそんな事思ったの?」


さわさわさわさわ


翔「隠さないでって言ったでしょっ」

智「だか、ら」

翔「なにっ?」


今日という今日は。


智「さ、わんなって…、力が、抜け…」



絶対許さないぞ。






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