
神様の願い事
第11章 オトコの役割
《sideS》
くっそ逃げられた。
ちょっと怒るとすぐコレだ。
なんなんだこの鏡。便利はいいけど都合が悪い。
翔「仕方ない。帰りに捕まえるか」
逃げ帰ったところで今日の仕事は一緒。
後で絶対問い詰めてやる。
潤「リーダーどうしたの? 凄く眠そうだね」
智「そう?」
雅「うん。寝てんのかと思った」
智「起きてたよ(笑)」
和「ボケてただけだよね?」
俺が怖いのか目を合わせてくれない。
その目を追っかけると、パチっと一瞬合ってすぐ逸らすし。
取った手段が一点を見つめて固まるというもので、そんなものは傍から見れば惚けているだけなんだ。
潤「寝不足?」
智「ぐっすり寝たよ(笑)」
視線から逃れた智くんはホッとしてる。
目尻に皺を作って笑みを零して。
智「…翔くん」
翔「え?」
なんだそれ。
随分態度違うなと不貞腐れてそっぽを向いてたら、背後に声をかけられた。
智「ちょっと、いい?」
くるりと振り向くと、俺の背後に立つ智くんが見下ろしてる。
翔「いいけど…」
まさか声をかけられるなんて思って無かったから、俺は座ったまま智くんを見上げて。
やっと出た一言がそれだ。
智「来て」
翔「え?」
智「早く、時間無いから」
本番もそろそろだと言うのに、智くんは俺の手を引いて楽屋を出た。
翔「どうしたんだよ」
声をかけても返事もせず、只小走りに俺を引っ張って。
翔「もう本番…」
そこまで言うと、智くんは角を曲がりピタッと止まる。
と、同時に俺は背をドンッと壁に押し付けられ、思わずウッと声が漏れそうになった。
翔「ちょ、なに…」
文句を言おうとしたその時、智くんの甘い香りが鼻を掠めた。
智「もぅ、駄目なんだよ」
甘えたような声で囁き
智「翔くんじゃなきゃ、止められないんだ」
思わず震えるような低い声を出す。
翔「あ、コレ…?」
智「ん…」
俺の腰を擽る尻尾を撫でてやると、細めた目を更に潤ませ俺に吸い付く。
智「んぁ、は…」
“翔くんじゃなきゃ駄目だ”と智くんが言うんだ。
“このキスじゃないと駄目なんだ”と智くんが必死で訴えるから。
翔「ん、治してあげるよ…」
それなら俺は、当たり前に助けてやるだけだ。
くっそ逃げられた。
ちょっと怒るとすぐコレだ。
なんなんだこの鏡。便利はいいけど都合が悪い。
翔「仕方ない。帰りに捕まえるか」
逃げ帰ったところで今日の仕事は一緒。
後で絶対問い詰めてやる。
潤「リーダーどうしたの? 凄く眠そうだね」
智「そう?」
雅「うん。寝てんのかと思った」
智「起きてたよ(笑)」
和「ボケてただけだよね?」
俺が怖いのか目を合わせてくれない。
その目を追っかけると、パチっと一瞬合ってすぐ逸らすし。
取った手段が一点を見つめて固まるというもので、そんなものは傍から見れば惚けているだけなんだ。
潤「寝不足?」
智「ぐっすり寝たよ(笑)」
視線から逃れた智くんはホッとしてる。
目尻に皺を作って笑みを零して。
智「…翔くん」
翔「え?」
なんだそれ。
随分態度違うなと不貞腐れてそっぽを向いてたら、背後に声をかけられた。
智「ちょっと、いい?」
くるりと振り向くと、俺の背後に立つ智くんが見下ろしてる。
翔「いいけど…」
まさか声をかけられるなんて思って無かったから、俺は座ったまま智くんを見上げて。
やっと出た一言がそれだ。
智「来て」
翔「え?」
智「早く、時間無いから」
本番もそろそろだと言うのに、智くんは俺の手を引いて楽屋を出た。
翔「どうしたんだよ」
声をかけても返事もせず、只小走りに俺を引っ張って。
翔「もう本番…」
そこまで言うと、智くんは角を曲がりピタッと止まる。
と、同時に俺は背をドンッと壁に押し付けられ、思わずウッと声が漏れそうになった。
翔「ちょ、なに…」
文句を言おうとしたその時、智くんの甘い香りが鼻を掠めた。
智「もぅ、駄目なんだよ」
甘えたような声で囁き
智「翔くんじゃなきゃ、止められないんだ」
思わず震えるような低い声を出す。
翔「あ、コレ…?」
智「ん…」
俺の腰を擽る尻尾を撫でてやると、細めた目を更に潤ませ俺に吸い付く。
智「んぁ、は…」
“翔くんじゃなきゃ駄目だ”と智くんが言うんだ。
“このキスじゃないと駄目なんだ”と智くんが必死で訴えるから。
翔「ん、治してあげるよ…」
それなら俺は、当たり前に助けてやるだけだ。
