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神様の願い事

第12章 “好き”の向こう

《sideM》



潤「猫化、治ってないんだって?」


俺が側でボソッと口を開くと、ボーッとしていたリーダーはくるんとこっちを見た。


智「え」

潤「聞いたよ、ニノから。ニノは直接聞いたみたいだけど」

智「ああ…」


くるんと振り向いてまんまるの目で俺を見上げてたのに、少し眉をしかめた。


潤「どうすんの。治るのそれ」

智「あ~、ま、たぶん…」


どうにもこうにもまどろっこしい。


潤「…治し方、わかるの?」

智「ん? ん~…」


“発情期”なんじゃないかと相葉さんが言ってたらしい。
まぁそれは翔さんに対してだけなんだろうけど、そう言われればしっくり来るし。


潤「やっぱカギは翔さんなんでしょ?」

智「え? あ~」


絶対リーダーだって分かってる筈なのに。
て言うか、自分の人生がかかってるんだぞ。恥ずかしがってる場合じゃ無いんだ。


潤「俺は別に、普通の感情だと思うよ?」

智「へ?」

潤「物足りないって思うの、普通じゃない?」

智「え」


そっぽを向いてのらりくらりと交わしていたリーダーが、目を見開いて俺を見た。


潤「だってさ、知ってんでしょ? だったらアレだけじゃ治まらないよね」

智「え、え」

潤「『聞いてきたから教えといた』ってあのモデルが言ってたし」

智「げ」


諦めて素直になればいいのに。


潤「だからさ、“本当の幸せ”って“本当のリーダー”を見せる事じゃないの?」

智「ほ、本当の、俺…?」

潤「そう。素直になって、本当の自分を見せられるかどうかなんじゃないのかなって」


俺は、そう結論を出したんだけどな。


智「素直に…?」

潤「うん」

智「本当の自分を…?」

潤「そう」

智「見せろって…?」


そりゃだって、建前で付き合ってたらなんでも上手く行くんだろうけど。


潤「晒け出した時に、翔さんが受け入れてくれるかどうかじゃない?」


でもやっぱ、建前ってのは疲れるモンだし。

好きな人にはどんな自分でも愛してもらいたい。


潤「まぁ、翔さんなら大丈夫だろーけど(笑)」

智「そう、かな…」


やっぱ幸せってのはそこからだろ。


“素”を晒してこそだと思うんだ。




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