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神様の願い事

第12章 “好き”の向こう




智「っは…」


俺の首筋を這う舌は熱くて。
思わず背が震える。


智「んん…っ」


全身の血が身体を駆け巡って心地よいゾクゾク感が伝う。


翔「寒い?」

智「ううん」


的外れだなぁと思ったのも束の間、翔くんはニヤリとした。


翔「貴方結構首筋感じるよね」


的を外した訳ではなく、確認をしたんだ。
俺が何に震えているのかを。


翔「湯あたりは?」

智「え…」

翔「ふふっ、とっくに治ってるか」


まるで何もかもお見通しだとでも言うような余裕の笑みを浮かべる。


翔「じゃあ、遠慮しなくていいよね…」


そういう顔は知ってる。


翔「ね?」


スイッチが入った時に見せる顔だ。


智「あ…」


少し身震いしたのは身体に纏ったバスローブが肌蹴たから。


翔「ふふ…」


ゾクッと震えると、翔くんはすかさずその隙間に手を差し入れる。


智「っ、ん」


ピクッと俺の身体が跳ねると嬉しそうに笑う。


翔「ココも、敏感だよね…」


そしてその低い声と共に熱い舌を繰り出して、俺の胸に這わせるんだ。


智「は、ぁ…」


俺の胸に吸い付く翔くんの唇が熱い。


智「ふ…」


ねっとりとした、その舌が熱い。


智「ぁ、っ…」


これは毎回だけど、俺は漏れ出る息が恥ずかしくて。


翔「これが、いいんでしょ?」


頑張って押し殺してるんだけど、どうしても我慢出来なくて。


翔「ふふ、我慢しなくていいのに…」


そんな俺の姿を翔くんはチラチラと見るんだ。


智「は、ずかしいんだよ」

翔「恥ずかしい?」


俺もノッてる時は恥ずかしさなんて忘れる時もあるけどさ。
だけど。


翔「初めてでもないのに?」


その顔な。


智「今日は、恥ずかしいんだよ」


その妖しく光る瞳。

それが俺の恥ずかしさを誘うんだ。


翔「ふうん…?」


わかってるくせに。
俺がその目に弱いって事。


翔「ソッチがそれなら、俺は」


ゾクゾクすんだよ。


翔「煽られるだけだけどね…」


その大きな目で見つめられると、身体の自由が奪われるんだ。


俺はそんな翔くんに


完全に敗北するんだから。






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