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神様の願い事

第12章 “好き”の向こう

《sideO》



なんだか今日はすごく恥ずかしくて。


智「みっけた、喉仏…」

翔「ぁ、ちょ…」


下から見上げる翔くんは好きで。
カッコイイし、なんか性格がオトコマエになるし。
だけど、だから恥ずかしくなっちゃうんだと思った。


翔「ふ…」

智「翔くんもココ弱いよね」


だけどひっくり返ってみればあら不思議。
なんだか勝ったような気がして、恥ずかしさなんて吹っ飛んだ。


翔「どう、したの急に」

智「ん?」

翔「恥ずかしかったんじゃないの…?」


今はそんな翔くんの方が恥ずかしそうだ。


智「もう、大丈夫…」

翔「なんで…」


さっきされたように、俺は両手を取り上げたまま片足を翔くんの身体の間に滑らせた。


翔「っ…」


太腿で翔くんの熱を摩ってやると、既に熱く張っていたものが益々強ばる。


智「…ね? 恥ずかしいでしょ?」


反応を示す熱に刺激を与えられ、その上両手を拘束され真上から見下ろされる。
自分では動く事も出来ずに只相手のされるがまま。


翔「っ、は…ぁ…」


これがどんなに羞恥心をもたらすか。
それを翔くんは身をもって知った。


智「コッチ見てよ」


翔くんだってあっという間に俺から目を逸らして。


智「ね。恥ずかしくないんでしょ?」

翔「さと…っ」

智「だったら俺を見て?」

翔「っ、く…」


翔くんは俺の上に来るのが好きなんだな、なんて思ってた。
だけどそうか。
上から見下ろすってのは、こんなに楽しかったのか。


智「ふふ、かわい…」


めちゃくちゃ可愛いじゃんか。


智「ね、アレ。ある?」

翔「アレ…?」


可愛いと言われた翔くんは顔を真っ赤にした。
火でも出るんじゃないかと思う程、頬が熱くなった。


智「いつも使ってるヤツ…」

翔「あぁ…」


でもそれは顔だけじゃなくて。
俺の太腿に触れる熱も、驚く程に熱くなっていたんだ。


翔「そこの、引き出し…」


漸く俺をチラリと見た翔くんは、観念したようにサイドテーブルを顎で指した。
そこをゴソゴソと探ると小さな紙袋を見つけて。

カサッと開くと、中には小瓶と小箱が入っていた。


智「これ…?」

翔「ん…」


翔くんの顔からは恥ずかしさは消えたように見える。


俺の目を真っ直ぐに見て、翔くんは頷いたんだ。






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