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神様の願い事

第2章 秘密

《sideS》



溜息を吐く智くんは美しい。


少し下を向いて憂鬱そうな顔で、それはとても憂いを帯びてる。



和「凄い憂鬱そうじゃん」

潤「そんな顔してんのに安心なんて出来ないでしょ」

雅「どうしたの? 教えてよ、力になるよ?」


しまった。うっかり見とれてて出遅れた。


翔「...何かの誘い?」

智「あ~...」


少し言いにくそうに方眉をしかめて天井を見上げる。
それでふぅっと息を吐くと、漸く口を開いた。


智「や、雑誌社の編集長なんだけどね。呑みに行かないかって」

和「ああ、前に言ってた人?」

智「ん」

和「断ったんじゃなかったの?」

智「断ったよ」

雅「だからまた誘ってくるんだ?」

智「うん」

潤「そんなに嫌な人なの?」

和「ほらあの人だよ。前に仕事した時大野さんにベッタベタ触って来る気持ち悪い人いたじゃん」

雅「ああ~、あの眼鏡掛けたちょっと小洒落たオジサン」

和「そうそれ」


誰それ。


潤「ああ、あの人はヤバいね...」

翔「え?」

潤「いい噂聞かないよ? ソッチ系でしょアレ」

和「だよね」


ソッチとは。


雅「リーダー目ぇ付けられちゃったんだ」

智「ほんと堪んないよもう...」


はぁ、と息を吐く智くんはとても綺麗で。
こんな智くんをそんな変態野郎に見せる訳には絶対にいかない。


和「断れるのそれ」

智「マネージャーが上手い事やってくれれば助かるんだけどね」

潤「新人くんでしょアレ。上手くやれるかなぁ…」


松潤が俺の不安を誘う。


雅「ん?翔ちゃんどうかした?」

翔「えっ」

雅「目が点になってる」


やべえ。
色んな想像をし過ぎた。


呑みに連れて行かれて、嫌と断れない人だから勧められるままに酒を飲んで。

ふらふらし出す智くんは超可愛いからオッサンが鼻の下を伸ばして。


潤「大丈夫?」

翔「う、うん。大丈夫だよ」


そのまま抵抗出来ない智くんを押し倒すんだ。

どんな顔かは知らないが掛けた眼鏡の奥から妖しい目をギラギラと光らせて、分厚い舌で智くんを舐め回すんだ。



そんなの絶対やらせねえ。







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