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神様の願い事

第12章 “好き”の向こう




智「どうしたらいい…?」


俺の上で、俺の顔の両隣に手を付き揺れる瞳のまま俺を見る。


智「…何をするかは聞いたけど、詳しくは知らないから…」


口も小さく開いて、真っ直ぐ見つめてくる割には恥ずかしそうで。


智「教えて…」


そう言いながらふんわりとキスをする。


翔「うん…」


照れ隠しのキスがすごく優しくて。
ふんわりと俺に触れるその頭をそっと包んだ。


翔「…俺も初めてだけど、ちゃんと調べたから」

智「うん…」


片手で包んだ頭を引き寄せて、額と額をくっつけて。
智くんの目を見てもう1度その決意を確認する。


翔「大丈夫だから…」

智「ん…」


未だ揺れる瞳は恥ずかしそうだけど、熱の篭った瞳は意を決している。
“覚悟は決めた”と、その目で訴えている。


翔「ぁっ…?」


その瞳を見ていると、俺の下半身は滑りを纏ったしなやかな手に包まれて。


翔「っ、さと…」


チラリとサイドテーブルを見ると、小瓶の封が開いていた。


智「…だけどこんなんじゃ、さすがに辛いじゃん」

翔「っは、だ、大丈夫だっ…て」

智「大丈夫じゃないよ、1度出した方がいい」


しなやかな手は優しく動く。
俺の身体を案じて、俺の辛さを和らげようとしてくれる。


翔「ちょ、ま…っ…」


だからこそすぐにイキたくなる。


智「大丈夫だよ、力 抜いて…」


我慢なんて出来るか。


翔「っあ…」


そんな優しい声で導かれて、どう我慢しろと言うんだ。


翔「く…」


俺の耳を擽るように内耳に囁きかけ、ぐっと掴み直し力を込めた。

するとあんなに我慢してた筈なのに、もうこのまま導かれちゃってもいいかな、なんて気になる。


翔「っは、はぁっ…」


この人はいつもこうなんだ。
俺のプランなんて知る由もないし。


智「いいよ、そのまま…」


ほら見ろ。


翔「ぁ、あ…っ」


涼しい顔してリードしようと思ってたのに。
あっという間に汗だくだ。


智「ふふ、よかった…」


そんでふにゃふにゃして笑うんだろ?


智「スッキリした?」

翔「うん…」


そしたら、素直に頷くしかないじゃないか。

いつも俺の思い通りに行かない。


全く。


これだから面白いんだよな。






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