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神様の願い事

第12章 “好き”の向こう




『最初は違和感しか無いと思うけど』

あのモデルが言ってたな。


智「ん…、ぁ」


なのに恐る恐る俺を押し広げる指から不思議な感覚が伝う。


翔「辛い…?」

智「だ、いじょ…ぶ…」


じんわりと、俺の中が熱くなる。


翔「もう少し奥まで…いい…?」

智「いい、よ」


知らないうちに俺の手は翔くんにしがみついてるし。


智「っ、ぁ」


熱くなる俺の中が、痺れだした。


翔「ごめん、痛かった?」

智「ちが…」


心配そうに俺を伺う翔くんは説明するんだ。
“前立腺っていうのがあってね? それを見つけたいんだ”と。
“だけどきっと負担になるから、辛いなら無理はしないよ”と。


智「っ、辛そう、な」

翔「え?」

智「顔に、見える…?」


翔くんはどこまでも真面目で、心配性で。


智「前立腺ってのは、よくわかんないけど…」


だけど何かが痺れる。


智「辛くないよ…」


何かを感じる。


智「気持ちいいよ、すごく…」

翔「智くん…」


熱を持った俺の瞳に負けない程に翔くんの目が瞬時に潤む。


智「だから、遠慮しなくていい…」


潤んだ瞳は綺麗に輝くんだ。


智「ていうか、しないで」


それを見た俺はまた痺れて。


智「は、ぁ…」


胸の奥から、熱い息も漏れ出した。


智「ちゃんと、してよ…」


そうか。わかった。


智「調べてきたんでしょ…」


俺の脳が痺れたんだ。


智「だったら」


俺の心が、疼いたんだ。


智「俺の身体が、翔くんを受け入れられるようにして…」



翔くんが魅せるその愛に、震えたんだ。






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