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《sideＳ》



“翔くんを受け入れられるように…”

そう放った智くんの手は俺の首根っこを掴み、澄んだ瞳が近づいてくる。


智「大丈夫だから…」


間近で見る智くんの瞳には固い意志が篭っていた。
例え身体に相当な負担が掛かろうと、この行為を止めるつもりは端から無いとでも言うような、そんな眼差しで。


智「翔くん…」


その智くんが瞳を閉じて、俺の唇にふわりと触れた。


翔「智くん…」


智くんを気遣ったのもあるけど、恐る恐る触れる俺は少しビビっていたのかもしれない。
そんな俺の不安をこの人はいとも簡単に振り払う。


翔「じゃあ、もう少し触るからね…？」

智「うん…」


俺がリードするんだなんて大人ぶるのもいいとこ。
この人の方が何倍も大人だ。


翔「ちょっと、強くするよ…？」

智「ん…」


嫌だなんて、怖いだなんて言わないじゃないか。


智「ぅ…」


少し歪めた眉でさえも俺を否定しなくて。


智「っ、は」


逃す呼吸ですらも俺を誘う。


翔「もう少し解しておきたいから、ちょっと、我慢だよ…？」

智「ん…」


ぐぐっと深く差し込むと、俺を掴む手にも力が籠る。
内壁を擦るように動かすと、瞼がピクリと震える。


智「ん、ぅ…っ」


慣れない刺激に耐えているのだろうが、押し殺した声でさえも官能的で。

その姿形全てを以て俺を疼かせようとしてくるんだ。


翔「どう…？ 結構、柔らかくなったんじゃない…？」

智「う、ん」


食い縛る口元から出す必死の返答なんて、俺を魅了する為の演技なんじゃないかと思う程で。


翔「まだ辛いと思うから、もう少し…」


この人と早く繋がりたいと思った。


翔「塗り直すからね…？」


たっぷりと滑りを纏って、この人の身体が俺に順応するように。


智「っ、あ」


もっと柔らかくして、俺としっかり馴染めるように。


智「ぁ、あ…っ」


指を増やして少しずつ押し広げた。


智「く…」


耐える智くんは額にじんわりと汗を滲ませて。
唇の隙間から、苦しそうな呼吸を逃す。


その姿がとても愛おしく。

抱き潰したくて仕方なくて。

今すぐ俺のものにしたくて。


翔「早く抱きたいから我慢して…」


自分を抑える事をやめた。


この人に誘われるまま、自分を素直に表したんだ。