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一見すると俺が智くんを微睡ませているかのようだがそれに翻弄されているのは俺自身で。


翔「っ、は」


この人の気持ちいい時の顔やイッた時の顔なんて、いつも見逃してなるものかとガン見しているから知っている筈なのに。


智「ぁあっ、ぁ…」


それとは全く違う妖艶さを纏っている。


翔「どこでそんな、エロい、顔、を」


こんな顔初めて見た。


智「んぅっ、く…」


首筋だってバッキバキに血管を浮かせているのにそれに似合う言葉は“妖艶”で。
妖しい以外の何者でもない。


智「ぁ、あっ、ヤバ…」


擦り上げるように、ズルズルと音が響くくらいにしてやると智くんは焦り出した。


智「っ、ぅ」


俺を掴む手にも力が籠る。


智「はっ、ぁ、しょ、く」


潤んだ瞳を向けて俺に訴える。
もう限界が近いんだと、首をぷるぷると振りながら訴えてくるんだ。


智「あぁっ、も、おかし…っ」


瞳に溜まった涙は一筋こぼれ落ちて。


智「しょう、く…っ」


暑い息を吐き出して俺にしがみついた。


翔「も、イキそ…？」


俺の腕の中でさわさわと揺れる髪。
ウンウンと頷いているのがわかる。


翔「実は俺も、もぅ、駄目なんだよ、ね」


もう、というかとっくに駄目だったけど。
なんとか理性でここまで持ち堪えただけの事。


翔「一緒に、いこう、ね」


更にきゅっと俺にしがみつくから、その身体をしっかりと抱き込んで俺は智くんに熱を送る。


智「んぁ、あ、ぁっ」

翔「っく、さと」


しっかりと俺に絡んで離れる事なんてなかったのに、それが更に俺に纏わり付いてきた。


翔「っあ、だ、めだって、先、イッちゃうでしょ…っ」


熱く蠢く智くんが、俺を強く掴んで。


智「ふぅっ、ぅ、あ」


それに翻弄された俺は当たり前のように身体がカッと熱くなって。
更なる血液が集中した。


智「ぁ、あぁっ」


それと同時に智くんの身体はビクビクと震えて。


智「っ、しょ、く…っ」


智くんの爪が俺の腕に食い込んだ瞬間、俺は熱を放った。


翔「はぁっ、ぁ…、は…っ」


智くんも俺に負けず呼吸が荒い。

俺に負けず汗も流れているし、俺と同じように少し放心してる。



それが同じというだけで俺は嬉しくなった。


この感情が俺だけじゃないと、証明されたから。