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神様の願い事

第13章 神様の願い事

《sideO》



雅「あ、てことはもうお爺さんに会えないって事か」


目ん玉をきょろっと天に向け相葉ちゃんは言った。


潤「そういう事になるよね」

翔「やっぱそうなの?」

雅「だってもうやる事ないじゃん。ね?」

翔「へ?」


会話を交わす二人を翔くんはキョロキョロと交互に見てる。
するとニノが割って入った。


和「“猫化”も治ったし、って事でしょ?」

翔「あ~、“本当の幸せ”を手に入れたからね」

潤「ちょっとドヤ顔じゃん(笑)」


まぁ俺はわかる。
なんか知らんがそれがじいちゃんの“願い”だと言ってたし。


翔「だけどそもそもそれが不思議なんだよなぁ」

潤「ん?」

翔「どうして智くんにそんな試練を与えたんだろう」

雅「だからそれはあのお爺さんがモゴ」

翔「もご?」

和「なんでもない。気にしないで」


何故かニノは相葉ちゃんの口を抑えた。


潤「まぁオバケなんだし。特に意味無いんじゃない?」

和「気が済んだから成仏したんだよきっと」

翔「う~ん…」


俺はわかるが。
どうしてこの三人はそれをすんなり受け入れられるんだろう。


和「鏡も無いんでしょ?」

翔「まぁね」

潤「だったらもう、本当に会えないんだな」

智「なんで寂しそうなの(笑)」

雅「だってほら、やっぱ最後に挨拶しときたいじゃん」

智「挨拶ぅ?」


あるとしたら文句だろう。なぜ挨拶。


雅「リーダーは最後に挨拶した?」

智「してないよ(笑) だって帰ったら鏡無かったもん」

和「そんなすぐ無くなってたの?」

智「急いでたんじゃない? もう死にそうだって言ってたし」

雅「へ? 誰が? だってお爺さんはもう死んでるでしょ?」


そう。確かにあれはオバケ。


智「好きな人が死にそうなんだって。迎えに行ってやんなきゃって言ってた」

和「へ~…」


じいちゃんの“願い”とやらも結果叶えたみたいだし。


智「今頃天国にいるんじゃないかな」

潤「その人と?」

智「きっと幸せだと思うよ」

翔「どうしてそう思うの?二人とも死んじゃってるのに」


翔くんは不思議そうな顔をしたけど。


智「だって大好きだから」

翔「え?」

智「やっと素直になれるから、じゃないかなきっと」


そんな事を言いながら、“実は結構似てたのかな”と思った。




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