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神様の願い事

第13章 神様の願い事

《sideS》



俺をあんなに怖がらせておきながら、この人は“嘘だよ”とサラリと言った。

そして今、シャワーよりも熱い舌で俺の口内を漁っている。


翔「こんなビショ濡れじゃ、帰れないでしょ」


その舌を掻い潜り、漸く反論した。


智「泊まってけばいいじゃん。朝には乾くよ…」


話しながらもこの人は舌の動きを緩めない。


翔「…っ」


俺の胸に手を添え、跳ねる鼓動を楽しんでいるのかと思ったらその指を僅かに動かし胸の先端を弾き出す。


智「ふふ、硬くなってるよ…」


悪戯な笑みを浮かべて楽しそうなんだ。


翔「智くんも濡れちゃっ…」


どうにもこうにもこの人はエロい。

何故かと言うと、キスだけで吐息にも似た甘い息を漏らすし、伏し目がちな垂れ目がどうも俺の欲情を煽る。


翔「ぁ、智く」


濡れたジーンズはゴワゴワして。
外し辛くなってしまった俺のベルトを片手でカチャカチャと弄っていた。


智「なぁに…?」


どうせ俺もとっくにそんな気分だし、だったら脱ぎづらいこんなとこよりもベッドでとか思ったんだけど。
くるりと俺を見上げる智くんの瞳は揺らいでいて、その瞳に息を呑んだ瞬間ベルトがガチャリと落ちた。


智「もぅ、硬いじゃん」


ファスナーを焦らすようにゆっくりと下ろした智くんは、そっと中へ手を差し込んできた。


翔「そりゃ…」


“猫化”という訳の分からない生態が故に“発情期”なんてものが備わって。
それが為に“スイッチ”という機能が働いてたのかと思ったけど。


智「はぁ…、熱…」


そんなものは無くてもこの人に“スイッチ”はあった。


翔「ずるいよ…、俺にも触らせて…」


“スイッチ”は、この人に常備されてたんだ。


智「ん…」


濡れた髪の隙間で揺れる可愛い垂れ目。
その瞳は妖しいまでの色香を放って。


智「翔くん…」


その甘い声は、俺の血をざわつかせる。


智「ぁ…」


その色香と甘い香りが心地好くて。


翔「ずっと浴びてたいよ…」



それはまるで、“愛”のシャワー。






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