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神様の願い事

第13章 神様の願い事

《sideS》



大きく身体が震えると同時に智くんの中は痙攣を始めた。

ビクンビクンとうねり出し、まるで俺を呑み込もうとしているみたいに。


智「っは…」


智くんは痙攣を始める直前、全身を強張らせた。
その時息も止まってしまったようで、強張りが緩み始めた今に漸く溜め込んだ息を吐いた。


智「はぁっ、は… ぁ、ぅ」


そのひと息を見届けた俺は抱き寄せた背をベッドに降ろしてやり、様子を伺いながらそろりと動いた。


智「っ、しょぉ、く」


再びピクリと震える身体は汗で濡れていて、それを手で拭ってやりながら肩を押さえ付けた。


智「ぁ、あ、俺、も…」


“もうイッたよ”と言わんばかりに逃げる腰を掴んで。
未だ入ったままの俺の熱を更に深く納めてやる。


智「ぅ、あ」


この人の、この顔が好きで。


智「っは、ぁ」


俺に浮かされるこの瞳が好きで。


智「あぁ、っ…」


俺は、この人以上に耐えたんだ。
我慢に我慢を重ねて、持って行かれないように気を奮い立たせて。


智「しょ、ぉ」


何故って、理由なんて単純だ。


智「んんっ、ぅ」


只この人を見ていたかったから。


智「ふぁ」


とろんとした瞳と、小さく開いた唇。
そこから出さずにいられない甘い声。


翔「さと、しくん…」


ずっと見てたくてずっと聞いていたくて。


翔「はぁ…っ」


なんとか騙し騙しここまで来たのにこの人の秘薬は最強で。
度々痙攣しては俺を呑み込もうとしてくるから。


翔「っ、く」


さすがにこれ以上は持たない。


翔「っは、触る、よ?」


この言葉に俺をチラリと見た智くんは小さく首を振ったけど。


智「っあ、」


それ位の意思表示ではもう止められないんだ。


智「あ、ぁっ く…」


止まらない事くらい智くんだって分かってるのに。

そんな仕草が更に俺を煽る事くらい分かっている筈なのに。


智「ぁ、あ、っ」


熱い息を吐き出しこの人の中を擦り上げる。
それと同時にこの人の反り立つ熱の塊も。


智「ぅ、あ」


想いを込めて、大事に大事にこの人の心に触れるんだ。


智「翔、く……、っ」


大切に送り込んだ愛をこの人は受け止めてくれる。

それと同様にこの人も返してくれる。



汚れた腹は、俺達の“愛”の証。






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