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神様の願い事

第2章 秘密

《sideS》


やべえ。
あの猫があんまり可愛かったからうっかり話に乗ってしまった。

だけどまあ、誤魔化せただろう。

だって願いはしてないし、人生相談だって本当だ。


和「あ、もう19時30分過ぎてる」

雅「あれ? 本当だ」

潤「おかしいな…」


時間になっても智くんは現れない。
心配をした松潤が智くんに電話をした。


潤「あ、リーダー? 大丈夫? 仕事押してるの?」


電話の向こうの智くんの話に耳を傾け、うんうんと松潤は頷く。


潤「えっ」


と思ったら松潤が目を見開いた。


潤「え、大丈夫? 俺も行こうか?」


どうしたんだろう。何かトラブルでもあったのか。


潤「本当? いや、待ってる。うん、だから早く終わらせてきなよ。うん、気を付けて。じゃ...」


眉を潜めて松潤はスマホを耳から離す。
その様子にニノが口を開いた。


和「どうしたの? 何かあった...?」


その様子に不安を抱いたのはニノだけじゃない。
俺も相葉くんも、ニノと同じく松潤に注目した。


潤「や、断れなかったんだって」

和「なにが...」


松潤の話によると、昼間言っていた編集長の誘いを上手く断る事が出来なかったらしい。
毎回断っていたからもう断り文句も尽きてしまって、仕方無いから今から呑みに行くんだと、松潤はそう話す。


雅「え、大丈夫なのそれ。ソッチ系でしょ」

潤「だから俺も行こうかって言ったんだけど、マネージャーも連れてくから大丈夫って」

和「あの新人くん?」

潤「うん。ちょっと呑んだらすぐに失礼するつもりだし問題無いって言うからさ」


1時間程はかかりそうだから、待ってなくていいよと言う智くんに松潤は“待ってる”と伝えた。

だから何かあったらまた連絡をくれる筈だと松潤は言う。


和「そうだね。...何もなきゃいいけど」


ニノの言葉が不安を煽る。


昼に描いた俺の妄想。


そんな事は絶対に、起きないでくれ。







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