
神様の願い事
第2章 秘密
翔「そうだ、電話っ」
ポケットからスマホを取り出したものの自分のマネージャーでも無い新人くんの番号なんて知らなかった。
潤「掛けてみるよ」
だから何故お前は知っているんだ。
いや今はそんなのどうでもいい。
なんだか少し悔しい気もするけど、取り敢えず早く確認をしてくれ。
潤「あ、もしもし新人くん? 松本です」
リーダーと一緒じゃないの?
新人くんは今1人なの?
じゃあリーダーは何処にいるのと根掘り葉掘り聞いている。
潤「は...? え、どういうこと」
マネージャーがなんて言ってるのか分からない。
もどかしいなちきしょう。
翔「つか、なんでお前車なんて乗ってんだよ! 智くんはどうしたんだよ!」
松潤からスマホを奪って捲し立てる。
電話の向こうの新人くんはきっと脅えているに違いない。
『や、あの... 長引きそうだから帰っていいよって大野さんが...』
翔「はぁ!? んでお前だけノコノコ帰って来たっての?」
『僕も居ますって言ったんですけど、あちらも僕が居ることにイライラしてきちゃって、だから大野さんが』
翔「だからってお前...!」
礼儀のなっていない新人くんに腹を立て、編集長は怒鳴り出したと言う。
智くんは機嫌の悪くなった編集長に、“気の利かないヤツですいませんね?”なんてハニカミながら酒を薦めたらしい。
『僕も申し訳無くて、店の前で待ってたんですけど』
トイレに行くフリをして個室を出た智くんはマネージャーを見付け、“居るんじゃねえかなと思ったよ。遅くなりそうだから帰っていいよ。俺は大丈夫だから”と告げた。
この新人くんはそれに甘えてノコノコと帰って来たんだ。
翔「もういいわっ!」
俺のガチギレに驚いた松潤にスマホを奪い返された。
ごめんね?と俺の変わりに謝り、少し話すと松潤は電話を切る。
潤「怒りすぎだよ。可哀想じゃん」
可哀想なのはどっちだよ。
俺は心配で、心臓が破裂しそうなんだ。
