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神様の願い事

第2章 秘密

《sideN》


翔「たっ、タクシーっ」

雅「え、翔ちゃんっ?」


ったく何処行く気だよ。
ちょっと待っててと潤くんに言われたのに。


和「ちょっと待って翔さん。潤くんがまだだから」

翔「あ~、皆待っててやって!俺先行くからっ」


だから何処に。


雅「行くって何処にっ?」

潤「おまたせっ」

和「あ、潤くんごめんね? ありがとう」

雅「後でワリカンしよ」

潤「そんなのいいから早く乗って」


潤くんに押し込まれる様にして皆でタクシーに乗り込む。
するとそのタクシーは潤くんに告げられた通りにスムーズに道を進んだ。


雅「さすが松潤。冷静だね」

和「ほんと、頼りになるよ」


普段は翔さんだって頼りになるんだ。
ここぞと言う時は本当に冷静で、凄く頼もしい。

なのに何コレ。

行き先も分からずタクシーを取っ捕まえ、乗り込んだ今はタクシーに委ねるしか無いのに足をモジモジと焦れったそうに動かしている。


潤「どうやって個室に入る?」

雅「偶然を装うとか?」


編集長を怒らせないように、大野さんが困らないようと作戦を練っていると言うのに。
ブツブツと何やら呟いてコッチの話なんて耳に入って無さそうなんだ。

こんなんじゃ作戦なんて無視して1人で突っ込んで行きそうだな。


和「店員が間違えて案内した事にしちゃえば? リーダーが呼んだのかなって思うでしょ」

潤「だね」


そうこうしてたらタクシーが止まった。
後はさり気な~く、さも驚きながら大野さんのいる個室へと向かうだけだ。

大野さんを助けたいのはみんな同じ。

だから俺達は一丸となって大野さんを守るんだ。


翔「智くん...」


だけど翔さんは。


もしかすると、俺達以上に心配をしているのかもしれない。






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