
神様の願い事
第2章 秘密
和「相葉さん」
雅「ん、任せて」
チラッと目配せをした。
翔さんが突っ込むだろうから、それを止めてと目で伝えた。
一瞬きょとんとしたけど、すぐに腕まくりをして鼻息を荒立ててる。
相葉さんだってなかなか頼りになるんだ。
「あ、リーダーとご一緒ですか?こちらです」
案の定大野さんのいる個室へと案内される。
潤「ありがとう。ここでいいよ、驚かせたいから」
ではごゆっくりと店員が個室の前を後にした。
そこでもう一度作戦会議だ。
と、思ったけど。
智「ふふ...、呑みすぎですよ…」
柔らかく笑ってるだろうけど、俺達はその声色で分かる。
大野さんは明らかに困ってる。
智「や、もう勘弁...」
戸を隔てて聞こえて来るその声は、俺達の怒りを誘う。
智「結構酔ってません...? や、ふふ、僕はもう」
ワナワナと震えているのは翔さん。
なんなら目も血走ってるかも。
智「え...、ちょ、近いですって」
「スキンシップだよ」
智「や、スキンシップて...、こ、こんなの」
もう駄目だな。
翔さんじゃないけど俺だってもう我慢の限界だ。
ガラッ
智「あ...」
「ん?」
広い座敷の個室なのに、その隅っこに陣取った2人がコッチを見た。
翔「さっ、智く」
雅「翔ちゃんっ」
壁際に追いやられ、メガネのおじさんに身体をすり寄せられてる。
その姿を見た翔さんは大野さんに突っ込みかけて、相葉さんに捕獲された。
智「え、なんで」
「どうして君達が? まさか大ちゃんが呼んだのか?」
まずい。
和「え、てかなんで大野さんがココにいるの?」
雅「あれ、編集長? この間はお世話になりましたっ」
潤「お久し振りです! え、リーダーと呑んでたんですか?」
翔「...ご無沙汰してます」
きょとんとする2人を前に即興の芝居をする。
とっとと騙して、早く大野さんを連れ帰らなきゃ。
